kigyoubunseki2024’s diary

2024年から新Nisaを始めました。Nisaでお金を投資する上で企業をまず知るべきかと思い、日経225周りを調べてみることにしました。

#187 「2025年から始まるテクノロジー革命──勝ち組企業を見通す5年の展望」

今後5年(2025年~2030年頃)で注目されるテクノロジーの進展と、それに伴って有力プレーヤーとなる企業について、大きな潮流をいくつか取り上げながら整理してみます。もちろん技術革新のスピードは予想以上に早まる可能性もあるため、一つの参考視点としてご覧ください。

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1. ジェネレーティブAIのさらなる進化

 


技術革新のポイント

• マルチモーダルAI: テキストだけでなく、画像・動画・音声など複数のメディアを統合的に取り扱うAIモデルが普及。インターフェースも音声やビジョンが当たり前になり、人間が自然にAIと対話できる環境が進化する。

• エッジAI化: ハイエンドスマートフォンやIoTデバイス上でリアルタイムにAI推論を行うための省電力・高効率化技術が進展。クラウドと端末のハイブリッド型が主流に。

• AIインフラの最適化: 大規模モデルを動かすためのクラウドインフラや専用AIチップがさらに拡充・高速化。次世代GPU/TPU開発や量子コンピュータとの連動も、徐々に商用化が進む。

 


勝ち組となり得る企業

クラウドプラットフォーム事業者: Microsoft(Azure)、AmazonAWS)、GoogleGCP

- 大規模言語モデルの開発・提供に加え、AI向けのクラウドインフラを一括提供。

• AIサービスプロバイダ: OpenAI、Anthropic、Hugging Face など

- 技術力で先行し、プラットフォーマーとしてのエコシステム構築も進める。

• AI専用ハードウェア: NVIDIAAMDIntel など

- GPUやAIアクセラレータの需要がますます高まり、供給能力と研究開発力を武器に市場をリード。

 


2. AR/VRメタバースの本格普及

 


技術革新のポイント

• 軽量・高解像度HMDの登場: スマートグラス並みの薄さ・軽さと、高解像度・低遅延を両立したデバイスがより実用的な価格帯で市場投入される見通し。

• 産業利用の拡大: エンタメ・ゲームだけでなく、製造業や建設業、医療、教育など、現場でのトレーニングやリモート作業支援に活用領域が広がる。

アバター経済圏の形成: メタバース空間上での経済活動や消費行動を支えるブロックチェーン技術、NFTや各種Web3サービスの連携が進み、新たなビジネスモデルが出現。

 


勝ち組となり得る企業

HMD・ARグラス開発企業: Apple、Meta、Sony など

- AppleVision Proなどを通じ、ハードウェアとアプリ連動でエコシステムを拡充。MetaはQuestシリーズを軸にメタバースプラットフォームを構築。

メタバース基盤企業: Roblox、Epic Games、Unity など

- すでにユーザ基盤をもつゲームプラットフォームや開発エンジンが、アバター経済やB2B用途に対応しながら勢力拡大。

• Web3関連プロジェクト: Dapper Labs、Polygon、Immutable X など

- メタバース上での資産のトークン化やNFTのやり取りを支えるインフラを提供し、アライアンスを拡大。

 


3. 量子コンピューティングの徐々の商用化

 


技術革新のポイント

• 誤り耐性量子コンピュータへのステップアップ: まだ実用段階には課題が多いが、限定的な業務に適用できる「量子アニーリング」や「NISQ(ノイズの多い中規模量子デバイス)」の活用が進む。

• ハイブリッド型アーキテクチャ: 量子計算と古典計算を組み合わせて最適化問題を高速に解く仕組みが実証され、金融・物流・新素材開発・創薬などで試験導入が進む。

 


勝ち組となり得る企業

• 専業ベンチャー: D-Wave(量子アニーリング)、IonQ、Rigetti など

- 特定技術に強みをもち、大手企業や研究機関とのパートナーシップを急拡大。

• テック大手: IBMGoogleMicrosoftAmazon など

- 量子クラウドサービスを提供しはじめ、ユーザはクラウド経由で量子計算を利用可能に。研究と投資を継続し、実用化の先行者優位を狙う。

 


4. 自動運転・モビリティ革命の加速

 


技術革新のポイント

• レベル3~4の実用化範囲拡大: 公道での高度自動運転の実用化範囲が広がり、一部地域でロボタクシーサービスの本格導入が進む。

• EV普及とバッテリーイノベーション: 固体電池や新素材によるエネルギー密度の向上によりEVの航続距離がさらに伸び、充電インフラの拡充も進む。

• モビリティのサービス化 (MaaS): 個人所有からサブスクやシェアリングへの移行が進み、データ連携を活用した新しい都市型モビリティサービスが拡大。

 


勝ち組となり得る企業

• 自動車OEM: Tesla、GMトヨタ、フォード、VW など

- ソフトウェア面も含めた総合力勝負へ。Teslaは自動運転や充電ネットワークで優位性を保持。

• 自動運転技術企業: Waymo、Cruise、Mobileye、Baidu Apollo など

- 巨額投資を背景に公道実証と提携を拡大。サービス提供・ライセンスモデルで収益化を狙う。

• バッテリー関連: Panasonic、CATL、BYD、Samsung SDI など

- EV拡大に伴い、バッテリー技術や製造力をもつ企業の重要性がさらに高まる。

 


5. 生体・ヘルスケアテクノロジーの進化

 


技術革新のポイント

バイオテックとデジタル技術の融合: 遺伝子解析や細胞工学の進歩とAIの組み合わせで創薬・診断を加速。個別化医療や遠隔治療が一般化していく。

ウェアラブル端末の高度化: ウェアラブルで常時健康データをトラッキングし、AIで異常を検知・予防するサービスが普及。

• 医療ロボットの普及: 外科手術支援ロボット、在宅看護ロボットなど、高齢化社会の課題解決に向けた実装が進む。

 


勝ち組となり得る企業

• デジタルヘルス企業: Fitbit(Google参加)、AppleApple Watchの健康モニタリング強化)、Omron など

- 身体データを分析し、医療機関との連携を強化して新たなサービスを展開。

バイオテック関連: Moderna、BioNTech など

- mRNA技術や遺伝子編集技術(CRISPR)などをリードし、新薬や治療法を次々に開発。

• 医療機器・ロボット: Intuitive Surgical、Siemens Healthineers、Medtronic など

- 手術ロボットや画像診断装置が高度化。AIとの連携で診断精度や治療効率を高める。

 


まとめ

 


これからの5年間は、すでに大きなトレンドとなっているAI技術の進化がさらに加速し、その周辺領域(クラウドインフラ、専用ハードウェア)も同時に拡大する流れが最も顕著です。また、AR/VRメタバースや量子コンピューティング、自動運転・モビリティ革命、ヘルスケアのデジタル化といった領域でも大きな革新が進むでしょう。

 


総じて、プラットフォームを握る企業や、汎用性の高い技術を提供する企業、もしくはその技術の新しいビジネスモデルを構築できる企業が優勢になると考えられます。特に国際的な巨大企業(GAFAMや主要なクラウドプロバイダ、AI先行ベンチャーなど)が一歩先行しつつ、日本企業も自動車・バッテリー・ロボット・デジタルヘルスなどの強みを活かせれば、世界市場で存在感を高めるチャンスがあります。

 


新しいサービスや製品が加速度的に登場する中で、いかに適切な研究開発投資とアライアンスを進め、市場投入をタイムリーに行うかが「勝ち組」を決めるカギとなるでしょう。