#320 「テレビ朝日ホールディングス:堅調な増収増益と新たな成長戦略」

はじめに

 

テレビ朝日ホールディングス(以下、テレビ朝日HD)は、日本を代表するテレビ放送局の一つであり、長年にわたり質の高いコンテンツを提供し続けています。本記事では、同社の2025年3月期第2四半期決算を中心に業績を分析し、今後の成長戦略や株価動向について考察します。

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2025年3月期第2四半期の業績概要

 

2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月)の連結業績は、以下の通りです。

• 売上高:1,538億3,500万円(前年同期比 +4.8%)

• 営業利益:60億4,700万円(前年同期比 +39.5%)

• 経常利益:105億4,200万円(前年同期比 +22.0%)

• 親会社株主に帰属する四半期純利益:76億9,900万円(前年同期比 +16.4%)

 

広告市場の厳しい環境が続く中、テレビ朝日は「世界水泳福岡2023」や「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」などの大型イベントの成功を背景に、堅調な増収増益を達成しました。

 

セグメント別の業績

 

テレビ放送事業

 

主力事業であるテレビ放送では、タイム収入の伸びが限定的であるものの、スポーツイベントや特別番組の成功が収益を押し上げました。また、視聴者層の多様化に伴い、ストリーミングサービスやオンライン広告も収益源として注目を集めています。

 

映像・コンテンツ事業

 

近年の注目領域である映像・コンテンツ事業では、映画やアニメ制作、海外への配信展開が進められています。特に、国内外で人気のキャラクターコンテンツを活用した収益拡大が期待されています。

 

株価の動向

 

2025年1月17日時点で、テレビ朝日HDの株価は2,113円。2024年の年初来安値(1,596円)から順調に回復しており、2024年12月20日に記録した年初来高値(2,374円)に迫る勢いを見せています。

 

株価推移は次の通りです。

• 2024年1月4日:年初来安値 1,596円

• 2024年12月20日:年初来高値 2,374円

• 2025年1月17日:直近株価 2,113円

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同社が業績を上方修正したことも、株価を支える要因となっています。

 

新たな成長戦略:壽屋との提携

 

2023年12月、テレビ朝日は株式会社壽屋の株式を取得し、主要株主となりました。壽屋はアニメやゲーム関連のフィギュアやホビー商品の企画・製造で知られる企業であり、この提携を通じて以下のシナジー効果が期待されています。

1. 「360°戦略」の推進

テレビ、映画、アニメ、イベントといった多角的メディア展開によるブランド価値の向上。

2. コンテンツ開発力の強化

壽屋の企画力とテレビ朝日の放送・制作力を融合し、より高品質なコンテンツを創出。

 

今後は、国内外のホビーマーケットへの進出も視野に入れた事業展開が進む見込みです。

 

今後の展望

 

テレビ朝日は、2025年3月期通期の経常利益予想を200億円から220億円に上方修正しました。これにより、増益率は0.4%から10.4%に拡大する見通しです。引き続き、スポーツイベントや映画・アニメ事業が収益の柱となるとともに、新規事業の成長が加速することが期待されています。

 

まとめ

 

テレビ朝日ホールディングスは、堅調な業績と株価動向、新たな成長戦略により、2025年も安定した成長が見込まれる企業です。大型イベントやコンテンツ事業の拡大に加え、ホビー業界との提携により、さらなるビジネスチャンスを創出しています。

 

投資家にとっては、長期的な視点で注目すべき企業の一つと言えるでしょう。

 

本記事はテレビ朝日HDの公式決算資料や株価情報をもとに作成しました。投資の最終判断は自己責任でお願いいたします。

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