コンチネンタルAG(Continental AG)は、ドイツ・ハノーファーに本社を置く世界的な自動車部品メーカーであり、特にタイヤ製造で知られています。2023年度の決算報告によれば、同社は厳しい市場環境にもかかわらず、財務目標を達成し、増収増益を実現しました。
2023年度の業績ハイライト
• 連結売上高: 414億ユーロ(前年同期比5.1%増)
• 調整後EBIT(利払い・税引き前利益): 25億ユーロ(前年同期比31.6%増)
• 調整後EBITマージン: 6.1%(前年の4.9%から改善)
• 純利益: 12億ユーロ(前年の6,700万ユーロから大幅増加)
• 調整後フリーキャッシュフロー: 13億ユーロ(前年同期比547%増)
これらの成果は、地政学的リスクやインフレ関連コストの増加、為替変動などの課題を克服した結果といえます。特に、オートモーティブセクターの業績改善が顕著で、調整後EBITマージンは1.9%となり、約271億ユーロの受注を獲得しました。また、タイヤセクターは安定した収益性を維持し、調整後EBITマージンは13.5%を記録しています。
2024年度の見通し
コンチネンタルは、2024年度の連結売上高を410億~440億ユーロ、調整後EBITマージンを約6.0~7.0%と予測しています。特に、オートモーティブグループセクターの利益率がさらに改善すると見込まれています。また、配当については1株当たり2.20ユーロを提案しており、これは純利益の約38%に相当します。
株価の推移
2025年1月3日時点で、コンチネンタルの株価は63.36ユーロを記録しています。過去52週間のレンジは51.02ユーロから77.94ユーロであり、1年トータルリターンは-11.47%となっています。また、直近の配当利回りは3.47%です。
市場における位置付け
コンチネンタルは、タイヤ業界においてミシュラン、ブリヂストン、グッドイヤーに次ぐ世界第4位のシェアを持っています。また、自動車部品メーカーとしても、ボッシュやデンソーと並ぶ世界最大級の企業の一つです。特に、ブレーキ、パワートレイン、シャーシ、インパネ、カーオーディオ、ディスプレイなどの分野で高い市場シェアを誇っています。
今後の展望
コンチネンタルは、2023年12月の投資家向け説明会「Capital Market Day」にて、高い価値創造と中期目標の達成に向けた戦略を発表しています。2024年度には、増収増益を目指し、特にオートモーティブグループセクターの利益率向上に注力する方針です。また、持続可能性を重視し、環境負荷の低減や新技術の開発にも取り組んでいます。
総じて、コンチネンタルは厳しい市場環境の中で堅調な業績を維持しており、今後も成長と収益性の向上に向けた取り組みを継続することが期待されます。
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