今週(2月17日~21日)の日本とアメリカの株式市場は、政治的な不透明感や企業業績への懸念から下落基調となりました。ここでは、日経平均株価とダウ平均株価の動きを振り返りながら、下落の要因を探っていきます。
日経平均株価:39,000円を割り込む展開に
今週の日経平均株価は、週初めに39,094.09円でスタートしましたが、週末の2月21日には38,776.94円で取引を終え、前週末比で372.49円(約1.0%)の下落となりました。
主な要因としては、以下の3点が挙げられます。
1. トランプ元大統領の関税発言
トランプ氏が自動車輸入関税を25%近辺に引き上げる可能性を示唆したことで、自動車関連株に売り圧力がかかりました。特に輸出企業にとっては大きな懸念材料となり、市場全体のセンチメントを冷やしました。
2. 日銀の金融政策に対する警戒感
日銀の髙田審議委員が追加利上げの可能性に言及したことで、日本の金融政策の先行きに不透明感が生じました。この影響で円高が進行し、輸出企業の収益悪化への懸念が広がりました。
3. 利益確定売りと高値警戒感
日経平均は年初から急上昇していたため、短期的な利益確定売りが出やすい状況でした。加えて、39,000円を超える水準では高値警戒感が強く、投資家の慎重姿勢が目立ちました。
ダウ平均株価:ウォルマート決算と政治リスクが重しに
アメリカ市場では、2月20日にダウ平均が前日比450.94ドル(約1.01%)下落し、44,176.65ドルとなりました。ダウの下落要因は以下の通りです。
1. ウォルマートの決算が市場予想を下回る
小売最大手のウォルマートが発表した決算が予想を下回ったことで、アメリカの消費動向への懸念が強まりました。ウォルマートは景気の先行指標としても見られるため、投資家の不安を誘いました。
2. 政府閉鎖のリスクが高まる
3月14日につなぎ予算案の期限を迎えることから、アメリカ政府の閉鎖リスクが意識され始めました。政治的な不透明感が市場心理を悪化させ、リスク回避の動きが強まりました。
3. トランプ政権の関税政策への警戒感
トランプ氏が再び強硬な通商政策を打ち出す可能性があるとの観測から、市場に緊張感が広がりました。特に、輸入関税の引き上げが米企業のコスト増につながるとの懸念が、株価の重しとなりました。
来週のマーケットはどう動く?
今週は、日米ともに政治リスクや企業業績の影響を受けた下落相場となりました。来週以降も、以下のポイントに注目が必要です。
• 日銀の金融政策の動向(利上げの可能性に関する追加発言があるか)
• アメリカの経済指標発表(GDPや雇用統計の結果次第で市場の方向性が決まる)
• 米政府のつなぎ予算問題(交渉が難航すれば市場の不安定要因に)
日経平均とダウ平均がどのような展開を見せるのか、引き続き注視していきましょう。
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