#402 三菱自動車の最新決算分析と今後の展望

1.企業の概要

 

三菱自動車工業株式会社(以下、三菱自動車)は、1917年に日本初の量産乗用車を製造した歴史を持つ自動車メーカーです。SUVピックアップトラック、電動車両の開発・製造に強みを持ち、アセアン地域を中心にグローバルな展開を行っています。

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2.最新決算情報

 

2025年2月3日に発表された2024年度第3四半期(2024年4月~12月)の連結決算によると、売上高は前年同期比3.6%減の1兆9893億円、営業利益は同34.7%減の1046億円、経常利益は同52.7%減の785億円、当期純利益は同67.7%減の332億円となりました。

 

3.増収、減益の要因解析

 

売上高の減少は、在庫車の消化を優先し、卸売り出荷台数を抑制したことが主な要因です。営業利益の減少については、主要市場での販売が期待ほど伸びず、価格競争の激化に対応するため販売費用を増加させたことが影響しています。

 

4.株価の動向

 

2025年2月10日時点で、三菱自動車の株価は398.5円となっています。直近の決算発表後、業績の下方修正が影響し、株価は下落傾向にあります。投資家は今後の業績回復や経営統合の進展に注目しています。

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5.業績ハイライトと成長戦略

 

グローバル販売台数は前年同期比7%増の62万4000台となり、新型車の投入が販売を牽引しました。特にアセアン地域では、新型「トライトン」や「エクスパンダー」「エクスフォース」の販売が好調です。今後も新興市場でのシェア拡大と電動車両の投入を進め、持続的な成長を目指しています。

 

6.市場でのポジションと課題

 

三菱自動車はアセアン市場で強固な地位を築いていますが、主要市場での販売伸び悩みや価格競争の激化が課題となっています。また、電動化や自動運転技術の進展に対応するための投資も求められています。

 

7.今後の展望

 

2024年12月、日産自動車とホンダが経営統合に向けた検討を開始し、三菱自動車もこの統合に参画・関与する可能性を検討しています。実現すれば、売上高30兆円、営業利益3兆円を超える世界トップレベルのモビリティカンパニーとなる見通しです。また、フィリピン市場において、今後5年間で70億ペソの投資を行い、現地生産を強化する計画も発表しています。   

 

8.まとめ

 

三菱自動車は、厳しい事業環境の中で減収減益となりましたが、新型車の投入や新興市場でのシェア拡大など、成長に向けた取り組みを進めています。今後、経営統合の動向や新興市場での投資がどのように業績に寄与するかが注目されます。

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