【2026年版】日産自動車は割安?PER・PBRと業績、転職先としての魅力を分析

企業分析

日産自動車(7201)はPBR0.24倍という低い株価指標が目を引く一方、2026年3月期まで2期連続で大幅な最終赤字となり、配当も0円です。2027年3月期第1四半期は営業黒字へ回復しましたが、「低PBRだから割安」と単純には判断できません。本記事では最新決算、Re:Nissan、競合比較に加え、平均年収や再編局面を踏まえた転職視点まで整理します。

日産自動車の分析結果

投資判断適正
転職判断条件を確認して検討
株価330.2円
予想PER57.73倍
PBR0.24倍
ROE-10.93%(2026年3月期)
予想配当利回り0.00%
業種PER中央値公開一次資料では同一基準日の中央値を確認できず
業種PBR中央値公開一次資料では同一基準日の中央値を確認できず
使用決算2027年3月期 第1四半期
株価基準日2026年8月17日終値

結論は、投資視点では「適正」です。PBRは非常に低いものの、会社予想EPS5.72円に対する予想PERは57.73倍で、2027年3月期も無配想定です。業績回復の兆しは出ていますが、自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローが継続的に黒字化するかを確認したい段階です。

日産自動車の基本情報

日産自動車株式会社は1933年設立のグローバル完成車メーカーです。証券コードは7201、東証プライム市場に上場し、東証33業種は「輸送用機器」です。本社は神奈川県横浜市、代表執行役社長兼CEOはIvan Espinosa氏です。2026年3月末の従業員数は連結120,079人、単体23,174人です。

日産自動車は何で稼いでいる会社か

事業の中心はNissan・INFINITIブランドの自動車開発・製造・販売と販売金融です。2026年3月期の外部売上は自動車事業が約10.76兆円、販売金融が約1.25兆円で、自動車が約9割を占めました。

ただし利益構成は大きく異なります。同年度の自動車事業はセグメント損失2,928.9億円だった一方、販売金融は2,979.4億円の利益でした。連結営業利益だけを見ると本体の採算悪化を見落とすため、日産では「自動車事業の正常収益力」を分けて確認することが重要です。

日産自動車の業績

決算期売上高営業利益親会社帰属利益
2022年3月期8.42兆円2,473億円2,155億円
2023年3月期10.60兆円3,771億円2,219億円
2024年3月期12.69兆円5,687億円4,266億円
2025年3月期12.63兆円698億円-6,709億円
2026年3月期12.01兆円580億円-5,331億円
2027年3月期 会社予想13.00兆円2,000億円200億円

2024年3月期までは改善傾向でしたが、その後は営業利益率が0%台へ低下し、最終損益は2期連続で大幅赤字となりました。2026年3月期は減損などを含む特別損失が5,768.4億円に達し、特別利益を差し引いたネットの特別損失は約4,414.6億円です。前期も多額の特別損失があり、純利益には一過性要因が大きく含まれています。

一方、2027年3月期1Qは売上高2兆9,642億円、営業利益779億円、純利益38億円と黒字化しました。会社は通期で売上高13兆円、営業利益2,000億円、純利益200億円を予想しています。小売販売台数予想は315万台へ見直されましたが、利益予想は据え置かれています。

PER・PBRから見て割安か

2026年8月17日終値330.2円に対し、PBRは0.24倍です。帳簿上の1株純資産1,394.83円と比べると株価は大幅に低く、数字だけを見ると割安感があります。

しかし、2027年3月期会社予想EPSは5.72円で、予想PERは57.73倍です。前期が赤字のため実績PERは算出できません。市場は低ROE、利益の不安定さ、再建の不確実性、無配を低PBRとして織り込んでいると考えられます。したがって本記事では、低PBRだけで「割安」とせず「適正」と判断します。

配当と株主還元

2026年3月期は年間配当0円で、2027年3月期も現時点で年間配当は見込まれていません。配当再開には自動車事業のネットキャッシュだけでなく、営業利益、純利益、フリーキャッシュフローの正常化が重要です。

株主向けには「株主様紹介特典制度」があります。ただし制度の条件や特典内容は変更される可能性があるため、利用時には日産公式の最新案内を確認してください。

今後の成長材料

  • Re:Nissanのコスト削減:FY2024対比で5,000億円規模のコスト削減を目指し、固定費・変動費の両方を見直しています。
  • e-POWERと新型車:第3世代e-POWERを含む商品更新で、販売台数だけでなく値引き・販売単価の改善につなげられるかが焦点です。
  • 生産・開発体制の再編:生産拠点の集約や提携活用により損益分岐点を下げ、AI・電動化・ソフトウェアへの投資効率を高める余地があります。

会社はRe:Nissanで自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化を重要目標としています。コスト削減の効果が決算に現れ始める一方、再建の完成には「売れる商品」を継続的に投入できるかが欠かせません。

投資する場合のリスク

  • 自動車事業の低利益率・赤字が長期化するリスク
  • 北米の販売奨励金、米国関税、為替、原材料価格の変動
  • 中国市場での競争激化と販売台数の低迷
  • 拠点・人員再編に伴う追加費用や人材流出
  • 新型車投入や電動化・ソフトウェア戦略の遅れ
  • 品質・リコール、販売金融の信用・残価リスク

競合企業・業種平均との差

会社予想PERPBRROE配当利回り
日産 720157.73倍0.24倍-10.9%0.00%
トヨタ 7203約11.1倍約0.96倍10.1%約3.3%
ホンダ 7267約16.4倍約0.53倍-3.5%約4.15%
マツダ 72618.25倍0.39倍1.9%4.67%

日産は4社の中でPBRが最も低い一方、予想PERは最も高く、配当利回りは唯一0%です。トヨタは規模・収益力・財務、ホンダは二輪の高収益と配当、マツダは低PERと配当利回りに強みがあります。日産の投資魅力を高めるには、PBRの低さではなく、自動車事業の利益率回復が必要です。

なお、東証33業種「輸送用機器」の同一基準日の予想PER・PBR等の中央値は、公開一次資料では確認できませんでした。既存データベースの主要完成車4社参考中央値では、予想PER12.65倍、PBR0.80倍、ROE6.71%、配当利回り3.75%ですが、これは正式な東証33業種中央値ではありません。

転職先として日産自動車はいい会社か

転職判断は「条件を確認して検討」です。日産自動車単体の平均年間給与は8,571,467円、平均年齢40.9歳、平均勤続14.9年、従業員23,174人です。会社平均給与は個人の提示年収を保証するものではありません。

人的資本データでは、有給休暇取得率97.0%、男性育児休業取得率75.5%、女性管理職比率11.3%です。離職率は9.1%で、定年等を含む数値です。e-POWER、EV、車両知能化、グローバル生産・調達・品質など幅広い経験を得られることは魅力です。

転職前に確認したいこと

  • 採用ポジションがRe:Nissanの組織再編・拠点再編の影響を受けるか
  • 勤務地、転勤、海外勤務、製造系職種の交替勤務の有無
  • 提示年収の内訳と賞与・残業代・評価制度
  • 職種の中長期的な役割と、部門再編時のキャリアパス

再建局面はリスクである一方、変革プロジェクトに深く関われる時期でもあります。安定性だけを求めるより、大企業の事業再建・商品改革・コスト改革に関わりたい人に向く環境と考えられます。

投資視点の最終判断

投資判断:適正。 PBR0.24倍という数字だけなら非常に安く見えますが、予想PER57.73倍、無配、低ROE、自動車事業の低採算を考慮すると、現時点で明確な割安とは判断しません。1Qの改善とRe:Nissanのコスト削減はプラス材料です。今後は自動車事業の営業利益、同フリーキャッシュフロー、世界販売台数を四半期ごとに確認します。

転職視点の最終判断

転職判断:条件を確認して検討。 平均年収約857万円とグローバルな業務経験は魅力ですが、会社は大規模な構造改革の途中です。求人票だけでなく、面接で配属部門の将来像、勤務地、再編の影響、評価制度を確認してから判断するのが妥当です。

公開前の更新チェックリスト

  • OK:最新決算と株価基準日
  • OK:PER、PBR、配当利回り
  • OK:会社予想と一過性損益
  • OK:競合3社比較
  • 確認不能:東証33業種の同一基準日中央値
  • OK:持株会社と事業会社の区別
  • OK:出典URL、四季報の非転載、免責事項
  • 公開直前更新:株価、時価総額、PER、PBR、配当利回り

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免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の購入、売却、保有を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。掲載情報は作成時点のものであり、正確性、完全性、将来の成果を保証するものではありません。

主な参照資料

  • 日産自動車「2027年3月期 第1四半期 連結決算参考資料」 https://www.nissan-global.com/EN/IR/FINANCIAL_RESULTS/ASSETS/DATA/2026/20261st_summary_641_e.pdf
  • 日産自動車「2026年3月期 連結決算」 https://www.nissan-global.com/EN/IR/FINANCIAL_RESULTS/ASSETS/DATA/2025/20254th_financialresult_393_e.pdf
  • 日産自動車「第127期 有価証券報告書」 https://www.nissan-global.com/JP/IR/FINANCIAL_RESULTS/ASSETS/FR/2025/PDF/fr2025.pdf
  • 日産自動車「Re:Nissan Recovery Plan」 https://www.nissan-global.com/EN/COMPANY/PLAN/RENISSAN/
  • 日産自動車「Sustainability data book 2026 – Social data」 https://www.nissan-global.com/EN/SUSTAINABILITY/LIBRARY/SR/2026/ASSETS/PDF/DB26_E_social_data.pdf
  • Yahoo!ファイナンス「日産自動車(7201)」 https://finance.yahoo.co.jp/quote/7201.T/chart
  • 日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR」 https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html

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