#267 「富士通、サービス分野で過去最高益達成:DX時代に向けた成長戦略と課題」

富士通は、日本を代表する情報通信技術(ICT)企業として、国内外で幅広い事業を展開しています。2024年度第2四半期の連結決算概要によれば、売上収益は前年同期比0.9%減の1兆6,966億円、調整後営業利益は同287億円増の795億円となりました。 特に、サービスソリューション部門は増収増益を達成し、売上収益は前年同期比3.4%増の1兆175億円、調整後営業利益は同252億円増の887億円と、上期として過去最高を記録しています。

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一方、ハードウェアソリューション部門は前年の大型商談の反動や円安の影響で減収減益となり、売上収益は前年同期比4.4%減の4,566億円となりました。ユビキタスソリューション部門も、欧州でのビジネス終息に伴い、同16.9%減の1,086億円と減収となっています。

 

通期の業績見通しについては、売上収益を前年同期比0.1%増の3兆7,600億円と据え置く一方、調整前営業利益は3,100億円に下方修正されました。これは、人材最適配置や生産性向上を目的とした一過性の費用200億円を織り込んだためです。

 

株価の推移に関して、2025年1月9日時点での終値は2,843円となっています。 過去1年間のレンジは1,910円から3,189円であり、年間のトータルリターンは36.03%と堅調なパフォーマンスを示しています。年初来リターンも1.55%とプラスを維持しています。

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富士通は、サービスソリューションを中心に事業ポートフォリオの強化を図り、特に「Fujitsu Uvance」などの新規事業領域での成長を目指しています。上期の「Fujitsu Uvance」の受注実績は前年同期比30%増の2,231億円、売上実績は同31%増の2,007億円と順調に推移しており、2024年度の売上目標4,500億円に向けて計画を上回る進捗を見せています。

 

今後の展望として、国内外でのデジタルトランスフォーメーション(DX)やサステナビリティトランスフォーメーション(SX)に対する需要の高まりを背景に、サービスソリューション分野でのさらなる成長が期待されます。一方で、ハードウェア部門の収益性改善やグローバル市場での競争力強化が課題として残されています。

 

総じて、富士通はサービス分野での強みを活かしつつ、新規事業領域での成長を追求する戦略を進めています。市場環境の変化や技術革新に対応しながら、持続的な成長を目指す同社の動向に注目が集まります。

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