#687 ソニーGとホンダのEV戦略進展:米国市場への本格攻勢

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【はじめに】

CES 2025で世界初公開されたソニー・ホンダモビリティ(SHM)の電動セダン「AFEELA(アフィーラ)」が、5月以降はロサンゼルスや東京・六本木での常設スタジオ展示を開始し、米カリフォルニア州では予約受付もスタートしました。2社連合は“AI・エンタメ×モビリティ”を武器に、2026年の米国発売でラグジュアリーEV市場へ本格参入を狙います。

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【1 アフィーラ最新スペックと市場評価】

● グレード構成

 ・Signature:10万2,900ドル、2026年中頃デリバリー予定

 ・Origin: 8万9,900ドル、2027年発売予定

● 基本性能(開示済み値)

 ・駆動:前後各180kWモーター、AWD、システム出力400hp超想定

 ・バッテリー:91kWh、NACS対応150kW急速充電

 ・航続距離:EPA推定300マイル(約480km)

 ・ADAS:LiDAR含む計40センサー、レベル2+→将来レベル4アップグレード構想

● 市場からの声

 ・スペックはテスラModel S/メルセデスEQS比で突出せず「後発で差別化が弱い」との指摘

 ・一方で「ソニーの独自UI・コンテンツが車内体験の新基準になり得る」とメディアは注目。

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【2 “AI・エンタメ×モビリティ”戦略の狙い】

● 42.5インチ幅のパノラミックスクリーン、後席用ディスプレイ、3D空間オーディオを備え「移動するリビングルーム」を標榜。

● Epic GamesのUnreal EngineでレンダリングしたUX、バンパー全面の「メディアバー」で外部とインタラクションし、PlayStationリモートプレイや映画・音楽配信を統合。

● ナビゲーションはHERE社SDKを採用し、ソフトウエア定義車(SDV)としてOTAアップデートを継続。

● AIパーソナルエージェントが音声で車内環境・エンタメ・走行モードを制御し、将来は生成AIによる“デジタルコンシェルジュ”を目指す。

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【3 自動車業界の勢力図変化と関連株インパクト】

● 高級EVセダン領域は既にテスラ、メルセデス、Lucidなど7モデルが凌ぎを削る状況。ソニー×ホンダは“体験価値”で差別化し、市販ソフト課金でLTV(顧客生涯価値)向上を狙う。

● Apple Car計画が再延期報道の中、IT大手×既存メーカーの協業モデルとして最も先行するのがSHM。コンテンツ連携でゲーム業界の収益多角化にも波及。

● 投資家視点

 ・ソニーG(6758):ゲーム&音楽IPとEVプラットフォームのクロスセル期待。

 ・ホンダ(7267):自社EV計画の軸足を北米に置き、SHM製造はオハイオ工場(旧NSXライン)活用で固定費効率化。

 ・周辺銘柄:ルネサス(マイコン)、村田製作所(電池部材)、アルプスアルパイン(HMI)がSHM採用報道で思惑買い。

 ・競合:中国BYDやNIOはSUV/クロスオーバー中心でコスト優位、米国関税再強化が参入障壁として機能。

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【まとめと投資家への示唆】

ソニーとホンダは「モビリティ×エンタメ」の融合をコアに、価格競争ではなく“体験価値”で勝負する戦略を明確化しました。ハード面の突出度は限定的でも、

・継続課金型サービスモデル

・高稼働率のソフトウエア更新(SDV)

・クロスメディアIP連携

といった“非ハードウェア収益”の伸びが投資シナリオの鍵になります。発売まで1年強ある今は、株価材料としてはニュースフロー段階。量産工程・パートナー拡大・ソフト課金のロードマップが具体化する2026年に向け、ポジションを段階的に積み上げる戦略が有効と考えます。

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#ソニー #ホンダ #EV戦略 #アフィーラ #次世代モビリティ

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