#116 Zee Entertainment 第2四半期決算分析:広告収入の減少を乗り越えた利益率の改善と成長戦略

Zee Entertainment Enterprises Limited(ZEE)は、インドを代表するメディア・エンターテインメント企業として、2024年第2四半期(7月~9月)の決算を発表しました。この報告書は、同社の財務状況と戦略的方向性を理解する上で重要な情報を提供しています。

f:id:EuropeSoccerOjisan:20241210194431j:image

収益の動向

 

第2四半期の総収入は203.4億ルピーで、前年同期比で19%の減少となりました。特に、全収入の約半分を占める広告収入は7.9%減少し、過去10四半期中9回目の減少を記録しています。この傾向は、消費財メーカーが生活費の上昇に伴う需要低迷に直面し、広告支出を抑制していることが一因と考えられます。

 

コスト削減と利益率の改善

 

一方で、ZEEは費用を20%削減することで、営業利益率を前年同期の13.6%から16%へと改善させました。これは、ソニーのインド子会社との100億ドル規模の合併が破談となった後、15%の人員削減を含むコスト削減策を実施した成果です。同社は2026年度までに営業利益率を18%から20%に引き上げることを目標としています。

 

純利益の増加

 

純利益は前年同期比で70%増加しました。これは、前年同期に12億ルピーの一時的な費用が発生していたことによるものです。

 

サブスクリプション収入の増加

 

サブスクリプション収入は9.3%増の97億ルピーとなりました。これは、新たな料金制度の導入により、放送事業者がチャンネル価格を引き上げることが可能になったためです。

 

業界の競争環境

 

インドのメディア・エンターテインメント業界では、Reliance Industriesとウォルト・ディズニーが85億ドル規模のインド事業統合を承認されるなど、競争が激化しています。このような中、ZEEは財務パフォーマンスの安定化を図っています。

 

経営陣の再任

 

また、プニート・ゴエンカ氏がマネージングディレクター兼CEOとして再任され、今後5年間の任期を務めることが決定しました。

 

まとめ

 

ZEEの第2四半期決算は、収益の減少という課題に直面しながらも、コスト削減策により利益率を改善し、純利益の増加を達成したことを示しています。サブスクリプション収入の増加は、同社の多角的な収益源の強化を示しており、今後の成長に向けたポジティブな兆候といえます。しかし、業界内の競争が激化する中で、ZEEが持続的な成長を維持するためには、さらなる戦略的対応が求められるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました