マイクロソフト(Microsoft Corporation)は、2025会計年度第1四半期(2024年7月~9月)において、売上高656億ドル(前年同期比16%増)、営業利益306億ドル(同14%増)、純利益247億ドル(同11%増)と、堅調な業績を発表しました。
特に、クラウドおよびAI分野での成長が顕著で、Microsoft Cloudの売上高は389億ドル(同22%増)に達し、Azureクラウドサービスの売上高も33%増加しました。
一方で、AI関連のインフラ投資により、当四半期の設備投資額は前年同期比で約2倍の200億ドルに増加し、売上総利益率が3ポイント低下するなど、利益率への影響も見られます。
株主還元策として、2024年9月に四半期配当を0.83ドル(前期比10%増)に引き上げ、さらに600億ドル規模の自社株買いプログラムを承認しました。
株価は、2024年12月31日時点で421.50ドルを記録し、過去1年間で52週高値468.35ドル(2024年7月5日)、52週安値366.50ドル(2024年1月5日)を示しています。
マイクロソフトは、クラウドおよびAI分野での成長を維持しつつ、AIインフラへの投資拡大による利益率への影響を注視し、持続的な成長と株主価値の向上を目指しています。
競争環境において、マイクロソフトはOpenAI、Apple、Googleなどの主要テクノロジー企業と激しい競争を繰り広げています。
特に、OpenAIとの関係は複雑であり、マイクロソフトはOpenAIに対して130億ドルの投資を行い、Azure OpenAI ServiceやBingのCopilotチャットボットなど、自社の製品やサービスにOpenAIのAIモデルを活用しています。
しかし、OpenAIが新たに検索エンジン「SearchGPT」のプロトタイプを発表したことにより、マイクロソフトはOpenAIを競合として認識し始めています。
さらに、マイクロソフトはAI技術の効率性向上を目指し、自社内で独自の軽量モデル「Phi-4」の開発を進めており、OpenAIの大規模モデルの代替として機能させることで、Microsoft 365 Copilotのパフォーマンス向上を図っています。
AppleはOpenAIとの連携を強化し、AI機能を自社製品に統合することで、ユーザーエクスペリエンスの向上を図っています。
一方、Googleは独自のAI技術を活用し、検索エンジンやクラウドサービスの分野で競争力を維持しています。
マイクロソフトは、これらの競合他社に対抗するため、AI分野への投資をさらに拡大し、2025会計年度には約800億ドルをAI対応のデータセンターの開発に投じる計画を発表しています。
このように、マイクロソフトはAI技術の開発とインフラ強化に注力し、競争優位性を確保する戦略を推進しています。
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