アメリカの利下げがS&P500指数に与える影響は、経済状況や市場の期待によって異なります。一般的に、利下げは企業の借入コストを下げ、経済活動を刺激するため、株価上昇要因とされます。しかし、過去のデータを見ると、利下げ後のS&P500のパフォーマンスは一様ではありません。
例えば、1980年代後半以降の利下げ局面では、利下げ開始から12カ月後のS&P500指数のパフォーマンスは、1989年、1995年、1998年、2019年で上昇した一方、2001年と2007年では下落しました。これは、景気後退期には企業業績が悪化し、株価が下落する「逆業績相場」となるためです。
また、過去50年間のデータによれば、最初の利下げ後1年間でのS&P500の平均リターンは約4.9%で、約70%の確率でプラスのリターンを示しています。しかし、利下げ後3カ月間は市場が下落することが多く、6カ月目には回復する傾向があります。
さらに、2024年9月18日にFRBが0.5%の利下げを決定した際、翌日のS&P500指数は前日比1.70%上昇し、史上最高値を更新しました。これは、利下げが市場の期待通りであり、経済の軟着陸(ソフトランディング)への期待感が高まったためと考えられます。
しかし、利下げが必ずしも株価上昇をもたらすわけではなく、景気後退期には株価が下落する可能性もあります。したがって、利下げの影響を判断する際には、経済指標や企業業績の動向を総合的に分析することが重要です。
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