アイリスオーヤマは、家庭用品や家電製品を中心に幅広い製品を展開する日本の企業であり、近年では食品事業やロボティクス事業など新たな分野にも積極的に進出しています。
2024年度の業績概要
2025年1月9日に発表された2024年12月期の決算速報によれば、アイリスグループ全体の売上高は7,760億円(前年比102.9%)、経常利益は380億円(前年比118.8%)で、経常利益率は4.9%となりました。 アイリスオーヤマ単体では、売上高2,315億円(前年比101.5%)、経常利益128億円(前年比81.5%)、経常利益率5.5%と報告されています。
これらの数字は、2020年以来4年ぶりの増収増益を示しており、国内外のグループ会社における経営の体質転換が功を奏した結果とされています。
事業別の動向
• 食品事業: 製造の国内回帰を掲げ、パックごはんや飲料水の生産設備への投資を進めてきました。これにより、食品事業の売上は大きく伸長しています。さらに、舞鶴工場や岡山瀬戸内工場の新設、鳥栖工場や埼玉工場での緑茶生産設備の追加投資など、生産・供給体制の強化を図っています。2030年までに食品事業の売上高1,000億円、うち輸出額100億円を目指すとしています。
• ヘルスケア事業: 新たに赤ちゃん用紙おむつ事業への参入と生産設備への投資を決定し、衛生用品のラインアップ拡充を図っています。2030年までに売上高400億円を目指すとしています。
• ロボティクス事業: 労働者不足への対応として、サービスロボットの導入が加速し、累計導入社数は6,000社、累計出荷台数は16,000台を突破しました。また、中国の大連工場で製造したDX清掃ロボット「BROIT(ブロイト)」の本格販売を開始し、業務のDX化や環境改善に貢献するソリューションを強化しています。
• 省エネソリューション事業: 電気料金の高騰や省エネ需要の高まりを受け、使用電力の可視化から制御までを行うエネルギーマネジメントシステム(EMS)の事業領域を拡大し、建物の総合エネルギーマネジメントサービス「ENEverse(エネバース)」を開始するなど、社会課題を解決するソリューションを拡充しています。
今後の展望
2025年度には、6年連続となるベースアップを含めた約5%の賃上げを実施し、さらなる企業成長と人材確保のための採用強化を図るとしています。具体的な目標として、アイリスグループ全体で売上高8,650億円(前年比111.5%)、アイリスオーヤマ単体で売上高2,600億円(前年比112.3%)を掲げています。
株価の推移
アイリスオーヤマは非上場企業であるため、株式市場での株価情報は存在しません。そのため、Yahoo!ファイナンスなどの一般的な株価情報サイトでは、アイリスオーヤマの株価推移を確認することはできません。
まとめ
アイリスオーヤマは、厳しい経営環境の中でも積極的な投資と事業拡大を続け、増収増益を達成しました。特に食品事業やロボティクス事業など、新規分野での成長が顕著であり、今後も多角的な事業展開を通じてさらなる成長を目指しています。
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