ゼネラル・モーターズ(GM)は、2024年第3四半期(7月~9月)の決算を発表し、売上高は前年同期比10.5%増の488億ドル、純利益は30億ドルを計上しました。これにより、同社の株価は約10%上昇し、53.73ドルで取引を終えました。
この好調な業績の背景には、北米市場におけるガソリンエンジン搭載のトラックやSUVの堅調な需要が挙げられます。特に、利益率の高い個人向け販売が3%増加し、全体の売上増に寄与しました。
一方で、中国市場では137百万ドルの損失を計上しました。これは、現地メーカーとの競争激化によるものです。GMは、パートナーである上汽集団(SAIC)と協力し、事業の再構築を進めています。
電気自動車(EV)分野では、GMは第3四半期に32,000台のEVを販売し、年間で200,000台の生産を目指しています。しかし、EVは全米での総販売台数の約4%にとどまっています。同社はEVの収益性向上に取り組んでおり、2025年までにEV事業での損失を20億ドル以下に抑える計画です。
自動運転部門のクルーズ(Cruise)は、第3四半期に4億ドルの営業損失を計上しましたが、前年同期の7億ドルからは改善しています。しかし、サンフランシスコでの事故により、カリフォルニア州でのロボタクシー運行許可が一時停止されるなど、課題も残っています。
GMは、2024年通年の税引前利益予想を140億~150億ドルに引き上げました。これは、従来の130億~150億ドルからの上方修正であり、同社の業績見通しに対する自信を示しています。
全体として、GMは北米市場での強固な販売と価格戦略により、堅調な業績を維持しています。しかし、中国市場での競争激化やEV事業の収益性確保、自動運転技術の安全性向上など、解決すべき課題も存在します。これらの要因を総合的に考慮すると、GMの今後の成長は、これらの課題への対応策の効果に大きく依存すると言えるでしょう。
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