#95 「日本ハム、2024年3月期決算で増収増益を達成:加工・食肉事業の好調と海外事業の黒字転換が寄与」

日本ハム株式会社(以下、ニッポンハム)は、2024年3月期の決算を発表し、売上高1兆3,034億円(前年同期比3.5%増)、事業利益449億円(同75.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益280億円(同68.8%増)と、堅調な業績を示しました。

 

セグメント別業績分析

• 加工事業本部:売上高は4,312億円(前年同期比3.2%増)。主力商品「シャウエッセン」の販売量増加や、乳製品・エキス・一次加工品の価格改定効果が寄与しました。事業利益は97億円(同93.9%増)と大幅に増加しています。

• 食肉事業本部:売上高は7,806億円(同4.1%増)。量販店向けの国産鶏肉・豚肉販売の好調や、インバウンド需要増加による外食向け牛肉販売の伸長が要因です。事業利益は340億円(同17.0%増)となりました。

• 海外事業本部:売上高は2,899億円(同9.8%減)。Breeders & Packers Uruguay S.A.(BPU)の株式譲渡や、豪州産牛肉の販売単価下落が影響しました。しかし、事業利益は24億円の黒字(前年同期は50億円の赤字)と改善しています。

• その他(ボールパーク事業など):売上高は238億円(同40.0%増)。「北海道ボールパークFビレッジ」の開業に伴う来場者数増加が寄与し、事業利益は19億円(前年同期は5億円の赤字)と黒字転換しました。

 

財務状況とキャッシュ・フロー

 

総資産は9,582億円(前期末比2.2%増)。有利子負債は2,148億円(同11.2%減)と、財務体質の改善が進んでいます。営業活動によるキャッシュ・フローは866億円の純増加となり、投資活動によるキャッシュ・フローは392億円の純減少、財務活動によるキャッシュ・フローは532億円の純減少となりました。

 

今後の展望

 

ニッポンハムは、2025年3月期から2027年3月期までの中期経営計画「中期経営計画2026」を策定し、持続的成長を目指しています。 加工事業では高付加価値商品の拡充、食肉事業では国産品の安定供給体制の強化、海外事業では収益性の向上を図る方針です。また、ボールパーク事業のさらなる発展も期待されます。

 

まとめ

 

2024年3月期のニッポンハムは、全体的に堅調な業績を示しました。特に、加工事業と食肉事業の収益性改善が顕著であり、海外事業も黒字転換を果たしています。新たな中期経営計画の下、さらなる成長が期待されます。

 

参考資料

日本ハム株式会社「2024年3月期 決算短信IFRS会計基準〕」

日本ハム株式会社「IR情報」

 

上記の情報は、日本ハム株式会社の公式IR資料に基づいており、信頼性の高い内容となっています。

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