#82 Googleの最新決算報告を分析:クラウド事業とAI投資が牽引する成長

2024年10月29日、Googleの親会社であるAlphabetは2024年第3四半期(7~9月期)の決算を発表しました。売上高は前年同期比15%増の882億6800万ドル(約13兆5400億円)、純利益は同33%増の263億100万ドル(約4兆300億円)と、いずれも過去最高を記録しました。

 

クラウド事業の急成長

 

特筆すべきは、Google Cloudの収益が前年同期比35%増の113億5300万ドル(約1兆7400億円)に達したことです。この成長は、生成AI(人工知能)の普及がクラウドサービスの需要を押し上げた結果と考えられます。スンダー・ピチャイCEOは、「当社のAIソリューションが既存顧客による製品利用の拡大、新規顧客の獲得、大型案件の獲得に貢献している」と述べています。

 

広告事業の堅調な推移

 

Googleの主力である広告事業も堅調に推移しています。Google検索やその他の広告収益は前年同期比12.1%増の493億8500万ドル(約7兆5700億円)、YouTubeの広告収益は同12.1%増の89億2100万ドル(約1兆3600億円)となりました。特に、YouTubeの過去4四半期の広告収益とサブスクリプション収益の合計が初めて500億ドル(約7兆6000億円)を超えたことが報告されています。

 

AI投資の成果と社内効率化

 

AIへの積極的な投資が、社内の効率化にも寄与しています。ピチャイCEOは、「Googleで新たに作成されるコードの4分の1以上がAIによって生成され、エンジニアが確認して承認している」と述べ、AIがエンジニアの作業効率を高めていることを強調しました。

 

その他の事業と今後の展望

 

Alphabetの「その他の事業(Other Bets)」も前年比30%増の3億8800万ドル(約590億円)と成長しています。自動運転車を開発するWaymoは、毎週100万マイル(約160万km)以上の完全自動運転走行と15万回以上の有料乗車サービスを提供しており、商業機会の拡大を生み出しています。

 

全体として、Googleクラウド事業とAI投資を中心に堅調な成長を遂げています。今後もAI技術の進化と新たなサービスの展開が、さらなる業績向上に寄与することが期待されます。

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