「無印良品」を展開する株式会社良品計画は、2024年8月期の連結決算において、売上高に相当する営業収益と各段階利益がすべて過去最高を更新しました。 この好調な業績は、国内外での積極的な出店戦略や商品ラインナップの強化、効率的なコスト管理など、多角的な取り組みの成果といえます。
売上高と利益の詳細
2024年8月期の営業収益は、前期比13.8%増の6,616億円となりました。 特に国内事業が好調で、営業収益は3,889億円(同13.4%増)と、4,000億円に迫る勢いを見せています。営業利益は561億円(同69.4%増)で、従来の最高益だった2018年2月期の452億円を大きく上回りました。営業利益率も8.5%と、前期から2.8ポイント改善しています。
国内事業の好調要因
国内事業の売上高増加は、既存店の売上伸長と新規出店の効果によるものです。既存店売上高は前年同期比6.8%増となり、特に生活雑貨部門が11.8%増と大きく貢献しました。衣服・雑貨部門も0.5%増、食品部門は5.3%増と、全体的に堅調な成長を示しています。また、価格改定による効果と値下げのコントロールにより、粗利益率は4.1ポイント改善し、50.8%となりました。
海外事業の展開
海外事業も順調に拡大しています。東アジア事業(中国大陸、台湾、香港、韓国)は営業収益約2,000億円を達成し、既存店売上高は前年割れとなったものの、店舗数の増加により増収を確保しました。特に中国大陸では、オンライン販売の伸長が顕著で、9月の既存店売上高は前年同月比3.9%増と、9カ月ぶりに前年実績を上回りました。東南アジア・オセアニア事業(タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、オーストラリアなど)も約400億円の営業収益を上げ、出店拡大により増収を実現しています。
新経営体制と今後の展望
良品計画は、2024年11月23日付で新たな経営体制を発足させます。清水智副社長が代表取締役社長に昇格し、堂前宜夫社長は取締役会長に就任します。新体制の下、同社は生産・開発体制の強化を図り、カンボジア、インドネシア、インドの3カ国に新たに現地法人を設立するなど、グローバル展開を加速させる計画です。これにより、生産パートナーの工場から近い場所に生産管理拠点を設け、製造工程での無駄を省き、最小原価の実現を目指します。
まとめ
良品計画は、2024年8月期において過去最高益を達成し、国内外での事業拡大と効率的な経営戦略が功を奏しています。新たな経営体制の下、さらなる成長とグローバル展開の強化が期待されます。同社の今後の動向に注目が集まります。
コメント