#538 Nintendo Switch 2 徹底解剖 (2025年5月1日現在)

 

はじめに

3月の初披露から2か月、量販店の店頭デモ機や開発キットの分解レポートが出そろい、「Switch 2」(正式名称:Nintendo Switch™ 2)の実態がかなり見えてきました。本稿では公式仕様・分解写真・リーク情報を突き合わせながら、初代Switchおよび据え置き機の雄・PlayStation 5(以下PS5)と比較し、投資目線を交えつつまとめます。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

1 ハードウェア概要

 

●SoC

Switch 2はNVIDIAセミカスタムSoC「Tegra T239」を採用。8コアArm Cortex-A78C CPUとAmpere世代GPU(1536 CUDA/RT/Tensorコア)をワンチップ化し、モバイルながらハードウェアレイトレーシングとDLSS 3に対応します。

 

●メモリ/ストレージ

12 GB LPDDR5(128bit、理論帯域102 GB/s)と256 GB UFS 3.1ストレージ。初代Switch比でメモリ3倍、ストレージ8倍。microSD Express(最大2 TB)にも対応。

 

●ディスプレイ

7.9 inch LCD、1 920×1 080、最大120 Hz。HDR10とVRRをサポート。

 

●ドック出力

AIアップスケーリング(DLSS 3)経由で4K/60 fps表示。GPU生性能は約3.1 TFLOPS(ドック)・1.7 TFLOPS(携帯)。

 

●I/O

USB-C×2、HDMI 2.1(ドック)、有線LAN、Wi-Fi 6、Bluetooth、改良Joy-Con(光学マウスセンサー内蔵)。

 

●バッテリー

5 220 mAh、駆動2.0〜6.5 時間。初代の新型バッテリー版(4.5〜9 時間)よりやや短いが、1 080p120 Hz動作を考えれば健闘。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

2 主要スペック比較(数値は代表値)

f:id:EuropeSoccerOjisan:20250501114244j:image

*理論値、DLSS使用時は見かけ上4–8 TFLOPS級の描画スループット

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

3 初代Switchからの進化ポイント

 

CPU・GPUとも世代が2段階以上進み、携帯時でもPS4クラスのパフォーマンス。
DLSS 3により消費電力を抑えつつ4K映像を実現。モバイル向けRT対応は業界初。
ストレージが高速UFS化し、ロード時間が平均60%短縮。
Joy-Conが磁力着脱式+光学センサー搭載でポインタ操作や“マウスモード”に対応。
内蔵マイクとGameChat機能でボイスチャットが公式サポート。 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

4 PS5との位置付け

 

純粋な演算性能ではPS5が依然3倍超。ただしSwitch 2は

・AIアップスケーリングで解像度ギャップを縮小

・携帯体験を維持したまま4K60を実現

・新Joy-Conのユニーク入力と任天堂IPによるソフト優位

という差別化が明確。PS5は高画質AAAに集中、Switch 2は中規模タイトルや任天堂ファーストパーティを強化しつつ携帯×据置のハイブリッド市場を深掘りする構図です。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

5 ベンチマークと実測値(暫定)

 

デモ機での『ゼルダ BotW 2 Switch 2版』は携帯1080p90 fps、ドック4K60 fpsを維持。消費電力は携帯モード時約12 Wで初代Switchの2倍未満ながらフレームレートは3倍以上。DLSSの効果が大きく、発熱もJoy-Con側へ逃がす新冷却構造で30 ℃台をキープ。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

6 投資・ビジネス視点

 

NVIDIAはT239量産でモバイルAI向け製造ラインを確保、8 nmから5 nm光学縮小への移行報道もあり。(サムスンTSMC二社体制)

・LPDDR5 × 256 GB UFS増強によりMicron、Kioxiaなど半導体サプライチェーンが恩恵。

・価格は449.99 ドル(日本想定5万9 800 円前後)。為替影響と部材高で粗利率は初代並みとの試算。

・ローンチタイトル『Mario Kart World』『ゼルダ:Age of Imprisonment』が牽引し、初年度販売目標1,500万台。既存Switchユーザーの買い替え率が鍵。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

まとめ

 

Switch 2は「携帯機の自由度」と「据置4K品質」の両立をDLSSで実現したことが最大の売りです。PS5級のハイエンドとは住み分けつつ、Steam DeckやモバイルPC勢を性能で上回り、任天堂独占IPで市場を深掘り。投資家目線では半導体・パネル・物流各社への波及、そして任天堂ARPU(1ユーザー当たり課金額)拡大が注目です。年後半のファームアップデートでNVENC動画配信やGen-AIボイス機能が入るとの噂もあり、サービス連動モデルへの転換が次の材料になるでしょう。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

(おわり)

コメント

タイトルとURLをコピーしました