#413 ホンダ(Honda)2025年3月期 第3四半期決算発表 – 増益基調と今後の展望

1.企業の概要

 

ホンダ(本田技研工業株式会社)は、世界を代表する自動車・二輪車メーカーであり、モビリティ分野を中心に幅広い事業を展開しています。1948年に創業し、現在は自動車、二輪車、パワープロダクツ、航空機事業など多岐にわたる製品を世界中で展開しています。特に、環境技術や電動化に関する取り組みに力を入れており、EV(電気自動車)や水素燃料電池車(FCEV)など次世代モビリティの開発を加速させています。

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2.最新決算情報

 

ホンダは2025年2月13日に2025年3月期第3四半期(2024年10月~12月)の決算を発表しました。

決算の主なポイントは以下の通りです。

• 売上高:5兆1665億円(前年同期比14.3%増)

• 営業利益:3740億円(前年同期比27.8%増)

• 純利益:3105億円(前年同期比22.6%増)

• 売上営業利益率:7.2%(前年同期は7.0%)

 

ホンダは、原材料価格の高騰や為替変動の影響を受けながらも、販売台数の増加とコスト削減努力により、増収増益を実現しました。

 

3.増収、増益の要因解析

 

今回の増収増益の背景には、以下の要因があります。

 

① 自動車販売の回復

• 北米市場でのSUVハイブリッド車(HEV)の販売好調

• 日本市場でも新型モデルの投入が奏功

新興市場での販売拡大(特にインドや東南アジア)

 

二輪車事業の堅調な成長

• インド、インドネシアを中心としたアジア市場の販売増加

• 高価格帯のプレミアムモデルの投入により収益性向上

 

③ コスト削減と生産効率の向上

• 原材料コストの上昇を吸収するための効率化施策

サプライチェーンの最適化によるコスト削減

 

また、円安の影響も収益増加に寄与しました。

 

4.株価の動向

 

ホンダの株価は、決算発表後に上昇し、**2025年2月13日15時30分時点で1,434円(前日比+30円、+2.14%)**となりました。

投資家は増収増益をポジティブに評価し、特に電動化戦略への期待が高まっています。

 

今後の株価動向については、EV市場での競争力強化や北米市場での販売動向が鍵となるでしょう。

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5.業績ハイライトと成長戦略

 

ホンダは、2025年3月期通期の業績見通しを据え置いています。

• 通期売上高見通し:20兆円

• 営業利益見通し:1兆4000億円

• 純利益見通し:1兆円

 

また、今後の成長戦略として以下のポイントを強調しました。

 

① 電動化の加速

• 2030年までにEV・FCEVを世界で200万台販売

• 北米でのEV生産体制の構築(GMとの提携強化)

 

② ソフトウェア開発の強化

• 車両のソフトウェアアップデート機能の充実

• 自動運転技術の研究開発

 

二輪車の電動化

• 2030年までに二輪車のEVモデルを30機種投入

• バッテリー交換式電動スクーターの普及拡大

 

6.市場でのポジションと課題

 

ホンダは、グローバル市場においてトヨタに次ぐ地位を確立しており、特に二輪車事業では世界トップシェアを誇ります。

しかし、以下の課題にも直面しています。

 

① EV市場での競争

• テスラやBYDなどのEV専業メーカーとの競争

• EV市場でのブランド力強化が必要

 

② 生産コストの上昇

• 電池や半導体のコスト上昇による影響

• 原材料価格の変動リスク

 

サプライチェーンのリスク

地政学的リスクによる部品調達の不安定化

• 中国依存度の低減策が必要

 

7.今後の展望

 

ホンダは、2025年以降の成長に向けて、電動化やソフトウェア開発に重点を置いています。

特に、EV市場における競争力を強化するため、北米・中国市場でのEV投入を本格化させる予定です。

 

また、自動運転技術やソフトウェア定義型車両(SDV)の開発にも積極的に取り組んでおり、新たな収益機会を模索しています。

 

加えて、ホンダと日産の経営統合協議の打ち切りが発表され、今後は単独での成長戦略が求められます。今後のパートナーシップ戦略にも注目が集まります。

 

8.まとめ

 

ホンダの2025年3月期第3四半期決算は、増収増益という好調な結果となりました。

北米市場での販売増加、二輪車の堅調な伸び、そしてコスト削減が業績を押し上げた要因です。

 

一方で、EV市場での競争や生産コスト上昇といった課題もあり、今後の成長戦略が鍵となります。

ホンダは電動化とソフトウェア開発を強化し、2030年に向けた新たな成長を目指しています。

 

今後の株価や市場動向にも注目しながら、ホンダの動向を引き続きチェックしていきましょう!

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