#316 「PBR0.4の企業が解散したら株主に2倍返ってくる理由を解説」

PBR(Price Book-value Ratio)は、「株価純資産倍率」と訳される指標で、以下の式で計算されます。

 

PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS

 

PBRが0.4というのは、株価が企業の純資産価値の40%で取引されていることを意味します。この状況について、「解散すれば株主に2倍近くお金が返ってくる」と言われるロジックは以下のように説明できます。

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ロジックの詳細

1. 純資産の評価

企業が解散した場合、会社の純資産(帳簿上の資産から負債を引いたもの)がすべて換金され、株主に分配されると仮定します。1株当たり純資産(BPS)は、その会社の純資産を発行済株式数で割った値です。

2. PBRが0.4の場合の解釈

PBRが0.4ということは、現在の株価が1株当たり純資産(BPS)の40%しか評価されていないことを示しています。つまり、理論的には市場での株価よりも、企業の清算価値の方が高いということになります。

3. 清算時の株主への還元

解散して純資産を全て換金して株主に分配した場合、理論上は1株当たり純資産(BPS)の金額が株主に返ってくると考えられます。

• 現在の株価がBPSの40%(PBR = 0.4)で取引されているため、仮に清算価値がそのまま全額分配されれば、現在の株価の約2.5倍(= 1 ÷ 0.4)相当が株主に還元される可能性があります。

4. 結論としての「2倍近く」

実際には清算コストや資産の評価減なども考慮する必要があるため、全額が株主に分配されるとは限りませんが、それでも現在の株価よりはるかに高い金額が還元される可能性がある、というのが「2倍近くお金が返ってくる」とする主張の根拠です。

 

注意点

清算価値の実現性: 純資産が帳簿上の価値通りに換金できるとは限らず、不動産や有価証券などの資産の売却時に値下がりすることがあります。

• 解散の可能性: 実際に企業が解散するケースは少なく、多くの場合は事業継続が優先されます。

• 市場の評価理由: PBRが低い理由には、業績不振、将来の成長性の欠如、または経営への不信感などが含まれている場合があります。

 

つまり、「解散したら2倍近く返ってくる」というのはあくまで理論上の話であり、実際の投資判断には慎重さが求められます。

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