フジ・メディア・ホールディングス(以下、フジHD)の主要株主である米国の投資ファンド、ダルトン・インベストメンツ(以下、ダルトン)について詳しく解説します。
ダルトン・インベストメンツとは?
ダルトンは1999年に設立された老舗のアクティビストファンドで、主に日本を中心としたアジアの株式市場への長期投資に特化しています。2024年6月末時点で約43億米ドルの資産を運用しています。創業者のジェイミー・ローゼンワルド氏は50年近い投資経験を持ち、日本市場に精通しています。ダルトンは、株主としての権利を積極的に行使し、企業価値の向上を目指す「物言う株主(アクティビスト)」として知られています。これまでに、新生銀行、豊田自動織機、TSIホールディングス、サンケイビル、三ツ星ベルト、江崎グリコ、イハラサイエンスなど、多くの日本企業に対して株主提案を行い、経営改革を促してきました。
フジHDとの関係
ダルトンはフジHDの株式を約7%保有する第2位の株主です。2025年1月14日、ダルトンとその関連会社であるライジング・サン・マネジメント(RSM)は、フジHDの取締役会に対し、タレントの中居正広氏を巡る一連の騒動に関する調査と改善策の提示を求める書簡を送りました。この書簡では、フジHDのコーポレート・ガバナンス上の深刻な欠陥を指摘し、外部の専門家からなる第三者委員会の設置を要請しています。
過去の提案と影響力
ダルトンは2024年5月にもフジHDに対し、経営陣による自社買収(MBO)を実施し、非公開化するよう提案する書簡を送付しています。しかし、フジHDは非公開化を検討している事実はないとコメントし、ダルトンの要請を拒否しました。
まとめ
ダルトン・インベストメンツは、日本企業の経営改革を長年支援してきたアクティビストファンドであり、フジHDの大株主として、企業価値の向上とコーポレート・ガバナンスの強化を求める積極的な提案を行っています。今後、フジHDがこれらの提案にどのように対応し、企業統治の改善を図るのかが注目されます。
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