台湾積体電路製造(TSMC)は、2024年第4四半期において、純利益が前年同期比57%増の3,746億8,000万台湾ドル(約113億8,000万米ドル)となり、四半期ベースで過去最高を記録しました。 この好調な業績は、人工知能(AI)関連の半導体需要の急増が主な要因とされています。
TSMCのCEOであるC.C.ウェイ氏は、AI関連の需要が今後も持続的に成長すると予測しています。 特に、AIサーバーや高性能スマートフォン向けの集積回路(IC)の需要増加が、同社の収益を押し上げています。また、TSMCは2025年の世界半導体市場が10%成長すると見込んでおり、AIと高性能コンピューティング(HPC)がその成長を牽引すると予測しています。
設備投資と技術革新
TSMCは、2025年の設備投資額を380億~420億米ドルと見込んでおり、AI需要に対応するための生産能力拡大を計画しています。 特に、3ナノメートルおよび5ナノメートル技術の開発に注力し、AIとHPCの需要増加に対応する姿勢を示しています。
米中関係と地政学的リスクへの対応
米中間の技術競争や輸出規制の強化は、半導体業界にとって大きなリスク要因となっています。TSMCはこれらのリスクを軽減するため、米国に3つ、日本に2つの新工場を建設し、政府からの補助金を活用しています。 これにより、地政学的リスクを分散し、安定した供給体制を維持することを目指しています。
株価の動向
TSMCの株価は、2024年に台北証券取引所で81%上昇し、最近ではさらに3.8%の上昇を見せています。 これは、AI関連需要の高まりと同社の強固な業績が投資家から高く評価されていることを示しています。
まとめ
TSMCの2024年第4四半期の好調な業績は、AI半導体市場の急成長を反映しています。同社は技術革新と積極的な設備投資を通じて、今後も市場の需要に応える体制を整えています。しかし、米中間の技術競争などの地政学的リスクも存在するため、引き続き注視が必要です。
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