サッポロビールを展開するサッポロホールディングス株式会社は、2024年12月期第3四半期（1月～9月）の連結決算を発表しました。売上収益は前年同期比で増加し、事業利益も計画通りに進捗しています。特に、国内酒類事業では「黒ラベル」ブランドが前年同期比で13%増と好調に推移し、ビール全体でも市場平均を上回る成長を遂げています。
一方、海外酒類事業では、カナダ市場の悪化や米国クラフトビール市場の停滞、製造移管の遅延などの影響で計画を下回る進捗となっています。特に米国では、サッポロブランドは好調であるものの、Stoneブランドの売上減少やシナジー効果の発現遅れにより損失が拡大しています。
不動産事業においては、恵比寿ガーデンプレイスの増収やコスト管理の徹底により、計画を上回る進捗を見せています。これらの状況を踏まえ、年間業績予想については、不動産事業の上方修正と海外酒類事業の下方修正を行い、全体としては当初の利益計画を維持しています。
株価の推移について、サッポロホールディングスの株価は2024年12月12日に年初来高値の9,379円を記録しましたが、その後調整が見られ、2025年1月9日時点では7,628円となっています。
サッポロホールディングスは、ビール事業の拡大成長を推進するため、組織形態や運営の再構築に取り組み、資本効率の向上を目指しています。具体的には、ビールへのリソース集中や顧客接点の拡大、RTD（Ready to Drink）の強化、サッポロブランドへの特化などの戦略を掲げています。
今後の展望として、国内市場でのブランド強化と海外市場での課題解決に注力し、持続的な成長と企業価値の向上を図ることが期待されます。特に、海外市場でのシェア拡大や新興市場への進出、製品ラインナップの多様化などが重要な課題となるでしょう。
サッポロホールディングスは、これらの戦略を通じて、ビール業界における競争優位性をさらに強化し、消費者の多様なニーズに応える製品・サービスの提供を目指しています。引き続き、同社の動向に注目が集まります。
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