株式会社ジェイテクト(6473)を、株式投資と転職の両面から分析します。使用した決算は2027年3月期第1四半期、2026年3月期通期、2027年3月期会社予想です。株価指標は2026年8月28日15:30終値を基準にしています。
| 項目 | 結論・数値 |
|---|---|
| 投資判断 | やや割安 |
| 転職判断 | 条件を確認して検討 |
| 株価 | 2,035円 |
| 予想PER | 12.96倍 |
| PBR | 0.80倍 |
| ROE | 1.56% |
| 配当利回り | 3.44% |
| 業種PER中央値 | 14.8倍(機械、2026年8月27日終値ベース参考) |
| 業種PBR中央値 | 1.05倍(同上) |
| 使用決算 | 2027年3月期1Q+2026年3月期通期+2027年3月期会社予想 |
| 株価基準日 | 2026年8月28日15:30 |
1. 株式会社ジェイテクトの分析結果
結論は、投資判断が「やや割安」、転職判断が「条件を確認して検討」です。
投資面では、予想PER12.96倍とPBR0.80倍が東証33業種「機械」の参考中央値を下回り、予想配当利回り3.44%は業種中央値2.80%を上回ります。加えて2027年3月期第1四半期は大幅増益となり、会社は通期営業利益750億円、親会社帰属利益500億円を計画しています。
ただし2026年3月期の実績ROEは1.56%と低く、低PBRには低収益性が織り込まれている面があります。FY2027会社予想のROE6.2%、ROIC7.0%を実現できるかが重要です。
転職面では、提出会社の平均年間給与は773万2,683円、平均勤続年数17.2年。ステアリング、ベアリング、工作機械など幅広い技術を持つ一方、勤務地・転勤・交替勤務・海外勤務や事業再編の影響は職種別に確認する必要があります。
2. 株式会社ジェイテクトの基本情報
| 正式会社名 | 株式会社ジェイテクト |
|---|---|
| 証券コード | 6473 |
| 上場市場 | 東証プライム |
| 東証33業種 | 機械 |
| 本社 | 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 |
| 代表者 | 取締役社長 近藤禎人 |
| 決算月 | 3月 |
| 主要事業 | 自動車、産機・軸受、工作機械 |
ジェイテクトは自動車部品会社であると同時に、ベアリングと工作機械を持つ機械メーカーです。自動車関連だけで評価すると、同社の事業構成を十分に捉えられません。
3. 株式会社ジェイテクトは何で稼いでいる会社か
最大の事業はステアリングです。電動パワーステアリング、ステア・バイ・ワイヤなどを扱い、FY2027会社予想の売上は約8,536億円です。ドライブラインは約4,613億円、産機・軸受は約3,447億円、工作機械は約2,184億円を計画しています。
FY2027の事業利益予想は、ステアリング406億円、ドライブライン145億円、産機・軸受156億円、工作機械210億円。売上規模ではステアリングが大きい一方、工作機械も利益面で重要です。
競争力は、車両の「曲がる」に関わるステアリング技術、幅広い軸受、製造設備まで持つ点です。一方、自動車メーカーの生産計画、世界景気、設備投資サイクルの影響を受けます。
4. 株式会社ジェイテクトの業績
| 決算期 | 売上収益 | 営業利益 | 親会社帰属利益 | ROE | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022/3 | 1兆4,284億円 | 364億円 | 207億円 | 3.52% | 18円 |
| 2023/3 | 1兆6,781億円 | 493億円 | 343億円 | 5.31% | 30円 |
| 2024/3 | 1兆8,915億円 | 622億円 | 403億円 | 5.53% | 36円 |
| 2025/3 | 1兆8,844億円 | 385億円 | 137億円 | 1.79% | 50円 |
| 2026/3 | 1兆9,250億円 | 248億円 | 120億円 | 1.56% | 60円 |
| 2027/3会社予想 | 1兆8,800億円 | 750億円 | 500億円 | 6.2%予想 | 70円予想 |
2026年3月期は売上が増えた一方で利益が落ち込みました。会社は2026年3月19日時点で、欧州自動車事業7社の譲渡に関連する連結その他費用244億円を計上する見込みと開示しました。FY2026実績のその他費用合計は568億円です。244億円は3月時点の見込み値であり、最終実績の一過性損益額そのものとして扱わない点に注意が必要です。
2027年3月期第1四半期は売上収益4,919.7億円、営業利益228.1億円、親会社帰属利益138.3億円。営業利益は前年同期比68.6%増、純利益は112.5%増でした。米国関税やインフレはマイナス要因ですが、欧州・北米の構造改革や原価改善が利益を押し上げています。
今期は「売上を伸ばせるか」よりも「利益率を正常化できるか」を見る会社です。
5. PER・PBRから見て割安か
2026年8月28日終値2,035円では、予想PER12.96倍、PBR0.80倍です。東証33業種「機械」の参考中央値は予想PER14.8倍、PBR1.05倍で、ジェイテクトはそれぞれ約12.4%、約23.8%低い水準です。
一方、実績ROE1.56%は、2025年度決算を使った機械業種の参考中央値7.11%を大幅に下回ります。PBR1倍割れは魅力ですが、低ROEが続けば「安い」のではなく「低収益性が反映されている」だけになる可能性があります。
FY2027会社予想のROE6.2%、ROIC7.0%が実現すれば、現在のPBR0.80倍には見直し余地があると考えます。
6. 配当と株主還元
1株配当は、2022年3月期18円、2023年30円、2024年36円、2025年50円、2026年60円、2027年70円予想と増加しています。FY2027予想配当性向は44.6%、DOEは2.8%です。
株価2,035円に対する予想配当利回りは3.44%です。業種参考中央値2.80%より高く、利益回復だけでなく株主還元も投資材料になります。ただし将来の配当を保証するものではありません。
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7. 今後の成長材料
1つ目は欧州・北米の構造改革です。 欧州の対象自動車事業譲渡を進め、FY2027第1四半期では改善効果が表れています。これが通期に定着するかが最重要です。
2つ目は次世代ステアリングです。 電動パワーステアリングに加え、ステア・バイ・ワイヤなどの高度な操舵技術は長期テーマです。
3つ目は工作機械・産機です。 自動車部品だけでなく、生産設備やベアリング需要を取り込めるため、事業ポートフォリオに厚みがあります。
4つ目は資本効率と還元です。 会社はFY2027でROE6.2%、ROIC7.0%を計画。増配と合わせて資本効率の改善が進めば、株価評価の改善要因になります。
8. 投資する場合のリスク
主なリスクは米国関税・インフレ、中国需要、為替、中東情勢、欧州再編です。関税や資材高を顧客価格へ十分転嫁できなければ、北米などの利益率が低下します。
中国では自動車競争が激しく、生産・販売が弱ければ部品数量や工場稼働率へ影響します。また、欧州事業譲渡後に残存コストや追加費用が発生すれば、会社が想定する利益正常化が遅れます。
最も重要なのは低ROEです。FY2026実績1.56%からFY2027会社予想6.2%へ回復できるかを、Q2以降の営業利益と合わせて確認する必要があります。
9. 競合企業・業種平均との差
| 会社 | 予想PER | PBR | ROE | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|
| ジェイテクト | 12.96倍 | 0.80倍 | 1.56% | 3.44% |
| 日本精工 | 18.57倍 | 0.79倍 | 3.46% | 3.09% |
| NTN | 14.75倍 | 0.74倍 | 4.86% | 3.49% |
| アイシン | 10.67倍 | 0.74倍 | 8.22% | 3.36% |
| 機械業種参考中央値 | 14.8倍 | 1.05倍 | 7.11%* | 2.80% |
*業種ROE中央値は2025年度決算ベースで、株価指標の基準日とは異なります。
ジェイテクトの予想PERは日本精工・NTNより低く、アイシンより高い水準です。PBRは競合と同じく低めですが、実績ROEは比較4社で最も低くなっています。したがって、現在の評価は「低バリュエーション+利益回復期待」と「低資本効率」の綱引きです。
10. 転職先として株式会社ジェイテクトはいい会社か
転職判断は「条件を確認して検討」です。
| データ対象 | 株式会社ジェイテクト(提出会社・単体) |
|---|---|
| 従業員数 | 11,109人(連結43,233人) |
| 平均年齢 | 41.4歳 |
| 平均勤続年数 | 17.2年 |
| 平均年間給与 | 7,732,683円 |
| 男性育休取得率 | 84.7% |
| 女性管理職比率 | 2.6% |
平均年間給与は提出会社全体の平均であり、個人の提示年収を保証する数字ではありません。職種、等級、勤務地、年齢などで実際の待遇は変わります。
魅力は、ステアリング、駆動、ベアリング、工作機械という異なる技術領域を持ち、グローバルな自動車・製造業の経験を得やすい点です。変革期のため、収益改善や生産改革に関わる経験を積める可能性もあります。
11. 転職前に確認したいこと
求人票と面接では、勤務地、転勤範囲、海外勤務、製造職の交替勤務、残業、職種ごとの評価制度と年収レンジを確認したいところです。欧州を含む事業再編を進めているため、応募部署の将来像、組織変更の可能性、担当製品の成長性も聞いておくとよいでしょう。
今回確認した公開資料では、同一基準の最新有給休暇取得率と離職率は確認できませんでした。転職判断では求人票や会社説明で最新値を確認してください。
12. 投資視点の最終判断
投資判断:やや割安
予想PER12.96倍、PBR0.80倍、配当利回り3.44%は業種比較で魅力があります。FY2027第1四半期で利益回復も見え始めました。一方、FY2026実績ROE1.56%は低く、会社予想のROE6.2%まで本当に戻せるかが条件です。
見るべき3指標は、①通期営業利益750億円への進捗、②ROE・ROIC、③欧州事業再編後の採算です。「PBR1倍割れだから買い」と単純化せず、利益正常化の確認とセットで評価します。
13. 転職視点の最終判断
転職判断:条件を確認して検討
平均勤続17.2年、平均年間給与約773万円、幅広い技術領域は魅力です。一方、働き方は職種により大きく異なります。勤務地・転勤・交替勤務・海外勤務と、担当事業が再編の対象かどうかを確認したうえで検討するのが妥当です。
14. 公開前の更新チェックリスト
- OK:最新決算と株価基準日
- OK:PER、PBR、配当利回り
- OK:会社予想と一過性損益の区別
- OK:競合比較と業種比較
- OK:持株会社と事業会社の区別
- OK:出典URL
- OK:会社四季報の文章・誌面・独自予想を転載していない
- 要修正:公開直前に株価・PER・PBR・配当利回りを最新終値へ更新
- 要修正:業種ROE中央値は株価指標と基準が異なるため注記を維持し、可能なら同一基準へ更新
- 確認不能:最新同一基準の有給休暇取得率、離職率、総還元性向
- OK:ブログ、PowerPoint、Excelの結論を「やや割安/条件を確認して検討」に統一
15. 筆者と対象企業との関係
筆者と対象企業との関係:
[雇用、取引、株式保有、持株会その他の関係がある場合は記載]
本記事は公開情報のみを使用し、未公開情報、社内情報、個人情報は使用していません。
16. 広告・アフィリエイトについて
本記事には広告・アフィリエイトリンクを掲載する場合があります。広告の有無によって投資判断を強気・弱気に変更することはありません。
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17. 免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の購入、売却、保有を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。掲載情報は作成時点のものであり、正確性、完全性、将来の成果を保証するものではありません。
18. 主な参照資料
- 株式会社ジェイテクト「2027年3月期 第1四半期決算短信」 https://www.jtekt.co.jp/assets/uploads/2026/07/files/financial_results_1Q202607_jp.pdf
- 株式会社ジェイテクト「2027年3月期 第1四半期決算説明資料」 https://www.jtekt.co.jp/assets/uploads/2026/08/files/1st_quarter_jp.pdf
- 株式会社ジェイテクト「第126期 有価証券報告書」 https://www.jtekt.co.jp/assets/uploads/2026/06/files/S100YEL3.pdf
- 株式会社ジェイテクト「財務情報」 https://www.jtekt.co.jp/ir/f_sheet.html
- 株式会社ジェイテクト「その他費用計上および業績予想修正」 https://www.jtekt.co.jp/assets/uploads/2026/03/files/20260319_gyoseki_2_jp.pdf
- Yahoo!ファイナンス「ジェイテクト(6473)」 https://finance.yahoo.co.jp/quote/6473.T
- 株価試算ラボ「東証33業種別指標」 https://kabu.nyanchulabo.com/gyoshu/
- 金脈コード「業種別財務中央値」 https://kinmyakucode.com/ja/article/sector-financial-medians-2026/


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