イビデン株式会社(証券コード:4062)は、岐阜県大垣市に本社を構える電子部品メーカーであり、プリント基板(PCB)やICパッケージ基板、セラミック製品などを手掛けています。特に、情報端末向け高密度プリント配線板やICパッケージ基板において、世界トップレベルの技術を提供する技術開発型企業として知られています。
2024年度第2四半期決算概要
2024年10月31日に発表された2025年3月期第2四半期(中間期)の連結決算によれば、売上高は1,876億円、営業利益は240億円、経常利益は268億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は179億円となりました。
前年同期と比較すると、売上高は増加し、利益面でも改善が見られます。これは、主力製品であるICパッケージ基板の需要増加や、生産効率の向上が寄与した結果と考えられます。
株価の推移
2024年12月30日時点での株価は4,735円となっています。 年初来高値は8,359円(2024年1月15日)、年初来安値は4,001円(2024年9月11日)であり、年間を通じて大きな変動が見られました。
特に、2024年初頭には半導体関連需要の高まりを背景に株価が上昇しましたが、その後の市場調整や業界全体の動向により下落し、9月には年初来安値を記録しました。しかし、第2四半期の好調な決算発表を受けて、再び株価は持ち直しの傾向を示しています。
事業セグメント別の業績
イビデンの事業は主に電子事業とセラミック事業に分かれています。電子事業では、スマートフォンやデータセンター向けの高密度プリント配線板やICパッケージ基板が主力製品であり、特に5G関連やAI需要の拡大に伴い、売上が堅調に推移しています。
一方、セラミック事業では、ディーゼル車向けのディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)や、産業用のセラミック製品を展開しています。環境規制の強化により、DPFの需要は引き続き高水準を維持していますが、電動車両の普及など業界の変化に対応するため、新製品の開発や市場開拓が求められています。
今後の展望と課題
イビデンは、2025年3月期の通期業績予想として、売上高3,900億円、営業利益420億円、親会社株主に帰属する当期純利益260億円を見込んでいます。 半導体需要の拡大や5G関連市場の成長を背景に、電子事業のさらなる伸長が期待されます。
しかし、競争の激化や技術革新のスピードに対応するため、研究開発投資や生産設備の強化が必要とされています。また、セラミック事業においては、環境対応製品の開発や新興国市場の開拓など、持続可能な成長に向けた戦略が求められています。
まとめ
イビデンは、電子事業を中心に堅調な業績を維持しており、特にICパッケージ基板の分野で強みを発揮しています。株価は年間を通じて変動がありましたが、第2四半期の好調な決算を受けて回復基調にあります。今後も市場動向や技術革新に対応しながら、持続的な成長を目指すことが期待されます。
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