#155「リンツ&シュプルングリ:持続可能性と戦略的成長で原材料費高騰を克服」

スイスの高級チョコレートメーカー、リンツ&シュプルングリ(Lindt & Sprüngli)は、2024年上半期の決算を発表し、堅調な業績を示しました。特に、カカオ価格の上昇という課題にもかかわらず、売上と利益の両面で成長を遂げています。

 

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売上高と利益の増加

同社の既存事業売上高は前年同期比で7%増加し、21.6億スイスフラン(約2,700億円)に達しました。地域別では、ヨーロッパが9.3%増、その他の地域が10%増、北米が3%増と、特に欧州と新興市場での成長が顕著です。営業利益率(EBITマージン)は13.5%と過去最高を記録し、収益性の向上が見られます。

 

原材料費の上昇と価格戦略

カカオ価格の上昇は業界全体に影響を及ぼしていますが、リンツ&シュプルングリは適切な価格設定とコスト管理により、粗利益率を維持しています。同社は、今後もコストインフレが続くと予想しており、引き続き価格戦略と効率的な運営に注力する方針です。

 

持続可能性への取り組み

同社は、持続可能なカカオ調達と児童労働リスクの軽減に重点を置き、サステナビリティ計画を推進しています。これにより、ブランド価値の向上と長期的な成長基盤の強化を図っています。

 

株主還元と財務健全性

リンツ&シュプルングリは、新たに5億スイスフランの自社株買いプログラムを開始し、株主への還元を強化しています。また、純負債の比率をEBITDAに対して0.5対1に維持する計画を示し、財務の健全性にも配慮しています。

 

今後の展望

同社は、2024年通年の既存事業売上高成長率を6%から8%、EBITマージンの改善を20から40ベーシスポイントと予測しています。さらに、全世界で30~40店舗の新規出店とブランドサポートの強化を計画しており、引き続き積極的な成長戦略を展開する意向です。

まとめ

 

リンツ&シュプルングリは、原材料費の上昇や市場競争の激化といった課題に直面しながらも、堅実な経営戦略と持続可能性への取り組みにより、収益性と成長性を維持しています。今後も、高級チョコレート市場におけるリーダーシップを強化し、グローバルな展開を加速させることが期待されます。

 

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