【2026年版】NOKは割安?PER・PBRと業績、転職先としての魅力を分析

企業分析

NOK株式会社(7240)を、2026年3月期通期実績、2027年3月期第1四半期、2026年9月2日の株価を使い、投資と転職の両面から分析します。結論は、投資判断「やや割安」、転職判断「条件を確認して検討」です。なお、NOKはイーグル工業との共同持株会社を2026年10月1日に設立する予定であり、公開日によって会社・銘柄情報の更新が必要です。

1. NOKの分析結果

投資判断やや割安
転職判断条件を確認して検討
株価3,049円(2026年9月2日終値)
予想PER10.69倍(会社予想EPS285.22円ベース)
PBR0.77倍
ROE7.7%
配当利回り4.59%
業種PER中央値11.7倍(輸送用機器・参考値)
業種PBR中央値0.69倍(輸送用機器・参考値)
使用決算2027年3月期 第1四半期/2026年3月期実績
株価基準日2026年9月2日

NOKは予想PERが業種参考中央値を下回り、配当利回りは4%台後半、自己資本比率は65.7%と財務も強い会社です。一方、PBRは業種中央値よりやや高く、電子部品事業は第1四半期に赤字が拡大しました。さらに10月の経営統合で評価軸が変わるため、「大幅な割安」ではなく「やや割安」と判断します。

2. NOKの基本情報

NOK株式会社は東京都港区に本社を置く東証プライム上場企業で、証券コードは7240、東証33業種は「輸送用機器」、決算月は3月です。公式サイトではSealing Solution、Electronic Products、Chemical Products & Othersの3領域で事業を展開しています。2026年3月期末の連結従業員数は36,655人です。

主力のシール製品は自動車、建設機械、一般産業機械など幅広い分野で使われます。電子部品ではグループのメクテックがフレキシブルプリント基板などを展開しています。材料技術、設計、量産品質、顧客基盤を組み合わせた総合力が競争力です。

3. NOKは何で稼いでいる会社か

2026年3月期の売上高7,384億円のうち、シール事業は3,674億円、電子部品事業は3,451億円、その他事業は259億円でした。営業利益はシール事業279億円、電子部品事業40億円、その他11億円です。売上規模はシールと電子部品が近い一方、利益の大半をシール事業が稼いでいます。

この構成がNOKを見る重要ポイントです。シール事業は価格改定、原材料費の低減、一般産業機械向け需要などで収益性が改善しています。一方、電子部品は販売が増えても人件費・減価償却・為替などの固定費負担で利益が出にくい局面があります。

4. NOKの業績

決算期売上高営業利益親会社利益営業利益率
2023年3月期7,099.6億円153.8億円133.2億円2.2%
2024年3月期7,505.0億円229.1億円316.0億円3.1%
2025年3月期7,668.6億円372.6億円303.2億円4.9%
2026年3月期7,384.3億円329.9億円463.4億円4.5%
2027年3月期会社予想7,566.0億円350.0億円464.0億円4.6%

FY2026は営業利益が11.5%減った一方、親会社利益は52.8%増えました。理由は本業だけではありません。投資有価証券売却益361.7億円があり、関係会社株式売却損や減損などを差し引いた特別損益ネットでも約229億円のプラスでした。持分法利益や為替差益もあり、純利益の再現性は営業利益より低いと見ます。

2027年3月期第1四半期は売上1,812億円、営業利益76.5億円で増収増益です。シール事業は営業利益96.4億円と47.5%増えましたが、電子部品事業は22.3億円の営業赤字でした。通期会社予想は売上7,566億円、営業利益350億円です。

5. PER・PBRから見て割安か

2026年9月2日終値3,049円と会社予想EPS285.22円から計算すると、予想PERは約10.69倍です。実績EPS284.84円ベースの実績PERは約10.70倍、PBRは約0.77倍です。

輸送用機器の参考中央値は予想PER11.7倍、PBR0.69倍です。NOKのPERは中央値より約9%低い一方、PBRは中央値より約11%高い水準です。PBRは1倍割れですが、輸送用機器にはPBR1倍割れ企業が多いため、1倍割れだけで割安と判断しない方が安全です。ROE7.7%は業種参考中央値6.1%を上回っています。

6. 配当と株主還元

2026年3月期の年間配当は130円、2027年3月期の現NOKベース会社予想は140円です。株価3,049円に対する予想配当利回りは4.59%で、FY2026の配当性向は45.6%でした。2026年8月には約111.4億円の自己株式を取得し、取得株式は9月末までに消却予定です。

重要:140円の配当予想は現在のNOK組織を前提にしたものです。10月1日に設立予定の共同持株会社の配当予想は別途発表されるため、公開前に必ず更新してください。

7. 今後の成長材料

最大の材料はイーグル工業との経営統合です。NOKのオイルシールとイーグル工業のメカニカルシールを組み合わせ、顧客基盤、素材技術、グローバル生産、物流、購買、金型・治工具、投資配分を一体化する方針です。発表資料では販路拡大や効率化、M&Aを含む資本配分高度化が期待効果として挙げられています。

また、FY2027第1四半期のシール事業営業利益率は約9.8%まで改善しました。電子部品でもスマートフォン、車載バッテリー、HDD向けの販売増が確認されており、売上成長を利益へ転換できれば全社利益率の上昇余地があります。統合報告書では2031年度売上高1兆円を長期目標に掲げ、xEV、グリーンエネルギー、半導体製造装置、水素などを成長領域としています。

8. 投資する場合のリスク

  • 電子部品の採算:第1四半期は増収でも営業赤字が22.3億円へ拡大しました。
  • 一過性利益:FY2026純利益には投資有価証券売却益が大きく含まれます。
  • 経営統合:統合コスト、組織再編、新持株会社の業績・配当予想で評価が変わる可能性があります。
  • 為替・自動車生産:円相場、アジア通貨、日系自動車の生産台数が売上・利益に影響します。

9. 競合企業・業種平均との差

会社予想PERPBRROE営業利益率主な特徴
NOK10.69倍0.77倍7.7%4.5%低PER・高配当・強い財務
イーグル工業約11.4倍約1.0倍約7~8%約7.6%メカニカルシール。10月から同一グループ予定
豊田合成約11倍約1.1倍11%前後約6.9%自動車向けゴム・樹脂、安全部品
西川ゴム工業10倍台後半~20倍前後1倍台10%超7%前後自動車用ウェザーストリップ

NOKはバリュエーションと財務で優位性がありますが、営業利益率は競合より低めです。したがって「安いから買う」より、電子部品の利益改善と統合効果を確認しながら評価する銘柄です。なお、イーグル工業は統合後は競合ではなくグループ会社になります。

10. 転職先としてNOKはいい会社か

2026年3月期有価証券報告書由来の単体データでは、従業員数3,153人、平均年齢42.3歳、平均勤続年数19.3年、平均年間給与8,475,417円です。連結従業員数は36,655人です。平均給与はNOK単体の平均で、個人の提示年収ではありません。

採用サイトでは2023年度参考値として月平均残業14.1時間、年間有給休暇取得日数17.4日、3年後定着率91.6%などを掲載しています。統合報告書ではLearning Stationや海外を含む社内公募など、学習・キャリア自律の仕組みも紹介されています。シール、材料、設計、生産技術、品質、電子部品、海外量産などの経験を積みたい人には魅力があります。

11. 転職前に確認したいこと

  • 2026年10月の持株会社化後の所属会社・組織・職務
  • 提示年収の内訳、賞与、残業代、等級・評価制度
  • 勤務地、転勤、工場勤務、交替勤務の可能性
  • 海外赴任・出向の可能性と希望反映の仕組み
  • 電子部品など再編対象事業での投資・人員方針

12. 投資視点の最終判断

投資判断は「やや割安」です。予想PER約10.7倍、配当利回り4.59%、自己資本比率65.7%、ネットキャッシュ、自己株買いはプラスです。一方、PBRは業種中央値より高く、電子部品の赤字と一過性利益、経営統合後の予想未公表を差し引くと「割安」まで強くは評価しません。

13. 転職視点の最終判断

転職判断は「条件を確認して検討」です。大手製造業としての給与水準、平均勤続年数、技術領域、グローバル経験は魅力です。ただし、持株会社化と事業再編の直前なので、配属・勤務地・出向・評価制度を応募ポジションごとに確認する必要があります。

14. 公開前の更新チェックリスト

  • 株価、PER、PBR、配当利回りを公開日基準へ更新:要修正
  • 輸送用機器のPER・PBR中央値を同一基準日で再確認:要修正
  • 2026年10月1日以降、新持株会社の証券コード・予想・配当へ差し替え:要修正
  • ROICの最新一貫値:確認不能
  • 会社予想、一過性損益、競合比較、持株会社と事業会社の区別:OK
  • 四季報文章・誌面・独自予想を転載していないこと:OK

15. 筆者と対象企業との関係

筆者と対象企業との関係:
[雇用、取引、株式保有、持株会その他の関係がある場合は記載]
本記事は公開情報のみを使用し、未公開情報、社内情報、個人情報は使用していません。

16. 広告・アフィリエイトについて

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17. 免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の購入、売却、保有を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。掲載情報は作成時点のものであり、正確性、完全性、将来の成果を保証するものではありません。

18. 主な参照資料

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