#509 TSMC最高益、しかしトランプ関税に苦慮?

台湾積体電路製造(TSMC)は、2025年1~3月期に前年同期比60%増の純利益3616億台湾ドル(約1兆5800億円)を計上し、過去最高益を達成しました。この好調な業績は、AI関連需要の拡大が主な要因とされています。特にAppleNVIDIAなどの主要顧客からの受注が堅調で、AI向け先端品の需要が業績を押し上げました。

 

しかし、今後の展望には不透明感もあります。トランプ前米大統領は、TSMCが米国内に工場を建設しない場合、最大100%の関税を課す可能性を示唆しています。これに対し、TSMCは米国アリゾナ州に5つの新工場を建設する計画を発表し、総額1000億ドルの追加投資を行う意向を示しています。

 

TSMCの株価は、2025年に入ってから20%以上下落しており、外国人投資家による売り越しが続いています。これは、トランプ政権の貿易政策や関税リスクへの懸念が背景にあります。

 

TSMCは、AIや高性能コンピューティング向けの先端プロセスで世界をリードしており、今後も成長が期待されます。しかし、米中間の地政学的リスクや関税政策の動向が、同社の事業環境に影響を与える可能性があります。投資家や関係者は、TSMCの米国投資計画や、米政府との交渉の進展を注視する必要があります。

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