#684 6月相場の“押し目”を探せ:日経平均は29週ぶり調整の兆し?

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【イントロダクション】

6月第1週の日経平均株価は37,741円61銭で取引を終え、前月末比でおよそ0.6%安と4月以来の週間マイナスを記録しました。年初からの力強い上昇トレンドにいったんブレーキが掛かり、「29週ぶり調整入り」の見方も浮上しています。ここでは①為替トレンド、②海外投資家の資金フロー、③押し目狙いの有望セクターという3つの観点から6月相場を点検し、戦略を整理します。

■ 1. 為替トレンドの転換点か?

・6月6日のドル円は1ドル=144円86銭で推移。4月に140円台前半まで進んだ円高局面からは戻していますが、年初来のピーク(158円台)と比べると円安一辺倒の流れは明らかに後退しました。

・元財務省為替トップの古澤満宏氏は「年末にかけて135~140円へ円高が進む」と指摘。米利下げ観測とBOJの追加利上げ余地が意識され始めたことで、為替感応度の高い輸出株には短期的な逆風となり得ます。

■ 2. 海外投資家の売買動向

・5月最終週(5/27~5/31)の東証統計では、海外投資家は現物株をネットで3,361億円買い越し。4月以降、緩やかな買い越し基調が継続していますが、買いの主力はTOPIX大型株中心からバリュー銘柄へシフトしつつあります。

・その背景には「決算通過で材料出尽くし」「円高リスクの台頭」「米国ハイテク調整への警戒」があり、今後は買い越しペースの鈍化・反転も視野に入れておきたい局面です。

■ 3. “拾いどき”候補セクターと銘柄

(1) 半導体装置:急騰後のスピード調整

 ・6月初旬、米国の対中テック規制報道を受け、東京エレクトロンやアドバンテストが日中▲0.8~1.5%下落する場面がありました。短期の過熱感が抜ければ、AI投資拡大という長期テーマは不変であり、“押し目妙味”が高まります。

 ・レーザーテック、SCREENも同様にPER水準が一段と適正化すれば再評価余地。

(2) インバウンド関連:円安メリットは継続

 ・1~3月期の訪日客消費額は前年同期比+28%の2兆2,700億円と過去最高を更新。旅行需要の裾野が広がる中、百貨店(J.フロントリテイリング)、総合ディスカウント(PPIH)、空運(JAL、ANA)に注目。

 ・政府が検討する「免税制度見直し」は店舗オペレーション再構築の契機でもあり、業界再編や新規サービス投入が株価刺激策になる可能性。

■ 4. 6月相場で想定したいシナリオ

・メインシナリオ:米雇用統計やFOMCをきっかけに米10年債利回りが頭打ち→円相場は142~147円レンジで落ち着き、日経平均は37,000円前後で底固め。

・リスクシナリオ①:米景気減速懸念が強まり、安全資産買いで円が140円割れ→輸出株主導で指数は36,000円台半ばへ。

・リスクシナリオ②:米インフレ再加速で利下げ後ずれ→円安再燃・海外勢の利益確定売りで35,000円方向を試す。

■ 5. 投資家向けアクションプラン

・指数押し目の目安は75日移動平均(現在36,900円近辺)。この水準を割り込む急落は現時点で想定しにくいものの、現金比率を引き上げつつ段階的に買い指値を置く戦術が有効。

・半導体は「決算基調が強い銘柄のみ」、インバウンドは「国内需要と外国人需要のハイブリッド企業」を優先。

・為替ヘッジ型ETFやドル建て資産で通貨リスクを相殺し、円高シナリオにも対応できるポートフォリオを検討。

【まとめ】

6月相場は「金利・為替の方向感が揺らぎやすい月」。日経平均が調整入りする場面では、①米金利ピーク感、②円高打診、③業績裏付けのあるテーマ株に照準を定めることで、中期トレンドに乗った再エントリーが狙えます。

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