はじめに
アシックスの株価は過去2年間でトータルリターンベースで4倍に上昇し、業績面でも売上・利益が大幅増加しています。特に「ダッドスニーカー」と呼ばれるレトロ感あるデザインのスニーカーが若年層を中心に人気を博し、ファッションブランドとのコラボも成功。これらが株価急騰の原動力となっています。
1.株価急騰の概要
・過去2年間で株価は4倍超に上昇し、2024年12月5日時点で年初来では約2.9倍に達した 。
・2025年5月9日時点の終値は3,322円であり、52週高値(3,842円/2月17日)に迫る水準で推移している 。
2.業績好調の背景
・2024年第1四半期(1~3月)の売上高は前年同期比14%増、営業利益は同53%増と大幅な増収増益を記録 。
・コロナ禍以降のランニング人気を取り込み、直接販売チャネルの拡充や製品ミックスの高付加価値化を推進したことが収益性向上に貢献した。
3.ダッドスニーカー人気拡大
・若者を中心に90年代~2000年代初頭の“厚底レトロスニーカー”がトレンドとなり、「ダッドスニーカー」としてアシックスのモデルがSNSで拡散。パリマラソンでも愛用例が見られ、機能性とデザインの両立が評価されている 。
・オンラインマーケットではプレミアム価格での取引が続き、限定モデルは発売直後に売り切れるケースも多い。
4.ファッションブランドとのコラボレーション
・国内外のストリートブランドとのコラボ商品を次々に展開。限定色やスペシャルパッケージによって話題性を高め、既存ファン以外の裾野拡大に成功した。
・こうしたコラボ施策は高い利益率を生み、ブランド価値の向上と新規顧客獲得に大きく寄与している。
5.株式分割と投資家層拡大
・2024年5月に1株→4株の株式分割を実施し、投資単位当たりの金額を低減。これにより個人投資家の参入障壁が下がり、流動性が向上したことも株価を後押ししたと見られる 。
6.今後の展望
・2025年5月15日に発表予定の第1四半期決算でも引き続き高成長が期待される。
・ランニングカテゴリー以外への製品多角化や海外市場(北米・欧州)での販売拡大が次の成長ドライバーとなる見込み。
・投資家は業績トレンドとコラボ戦略、グローバル展開の進捗を注視したい。
結論
アシックスの株価急騰は、堅調な業績に加えトレンド性を取り入れたプロダクト戦略が生んだ結果です。今後もデザイン×機能性の両立を軸に、ランニング市場のみならずファッション領域でのプレゼンスを強化できるかが鍵となるでしょう。
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