#25 テンセントの最新決算報告分析:成長の要因と今後の展望

中国のインターネット大手、騰訊控股(テンセント)は、2024年1月から9月までの決算報告を発表し、堅調な業績を示しました。特に、オンラインゲーム事業とオンライン広告事業が収益増加の主要なドライバーとなっています。

 

2024年1~3月期の業績

2024年1~3月期の売上高は前年同期比6%増の1,595億1,000万元(約3兆4,000億円)を記録しました。非国際会計基準(Non-IFRS)ベースの純利益は54%増の502億6,500万元(約1兆1,000億円)となり、利益率の大幅な改善が見られました。

 

2024年4~6月期の業績

続く4~6月期も好調で、売上高は前年同期比8%増の1,611億1,700万元(約3兆3,107億円)を達成しました。非IFRSベースの純利益は53%増の573億1,300万元(約1兆1,777億円)となり、2四半期連続で50%を超える増益を実現しました。

 

成長の要因

1. オンラインゲーム事業の回復:国内外のゲーム事業が回復基調にあり、特に新作タイトルの投入が売上増加に寄与しました。例えば、「火影忍者(忍者BORUTAGE)」は1日当たりのアクティブユーザー数が1,000万人を突破し、「地下城与勇士(アラド戦記モバイル)」も高い継続率を示しています。

2. オンライン広告事業の拡大:微信(WeChat)の動画投稿サービス「視頻号(WeChat Channel)」のユーザー利用時間が前年同期比で80%以上増加し、広告収入の増加に大きく貢献しました。

 

今後の展望

テンセントは、生成AIの活用を通じて利益率の向上を図っています。自社開発の大規模言語モデル「混元(フンユエン)」をリリースし、AI分野での競争力強化を目指しています。さらに、動画生成AIの開発にも取り組む計画を明らかにしています。

 

総じて、テンセントは主要事業の強化と新技術の導入を通じて、持続的な成長を遂げています。今後も市場動向を注視し、戦略的な投資と事業展開が期待されます。

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