序章
生成AIブームの旗手・NVIDIAが28日引け後に決算を発表し、時間外で株価は約5%上昇。AI需要の強さを再確認させた一方、東証の半導体関連株はここ数日で利食い売りが優勢となり、ひと息つく展開となっている。
1 SOX指数の足元動向と需給
・米フィラデルフィア半導体指数(SOX)は5月14日の4,960ポイントから一時4,702ポイントまで調整後、27日に4,861ポイントへ切り返したが、28日は4,834ポイントで小反落。高値から約2.5%下の水準で「軽い下げ止まり」を示唆している。
・指数全体の出来高は急増しておらず、需給は過熱感がやや和らいだ程度。短期筋のポジション整理が一巡すれば再び買い戻しが入りやすい地合いだ。
2 日本株の中で“押し目妙味”のある銘柄
・東京エレクトロン(8035):28日終値23,165円。52週高値38,930円から40%超調整済みで、先端露光装置需要の底堅さとともにPER 20倍前後は割高感が薄れつつある。
・アドバンテスト(6857):28日終値7,255円。HBM(高帯域幅メモリ)対応テスタに追い風が続く中、株価は年初来高値比約30%安。受注残は過去最高圏で、来期増益シナリオが視野に入る。
・SCREENホールディングス(7735):28日終値10,520円。洗浄装置トップの地位を背景に、FY2025/3期も売上・利益とも過去最高を更新。Forward PER 11倍台と割安感が際立つ。
3 投資家心理とAIバブルの持続性
・米10年債利回りは4.46%に上昇。高金利長期化観測はテクノロジー株のバリュエーション圧縮要因となるが、AIサーバー投資の加速が実需を支える構図に大きな変化は見られない。
・SOX指数のわずか数日間の調整幅が小さい点は、市場が「一時的な利食い」と捉えている証左。AI関連設備投資計画が上方修正され続ける限り、中長期トレンドは上向きとの見方が優勢だ。
4 押し目買い判断のチェックリスト
・SOX指数が5%超の調整幅に達したか
・日本株主要3銘柄の出来高急増を伴う陰線→陽線転換有無
・米10年債利回りが4.5%台で頭打ちとなるか
・NVIDIA・TSMCなどグローバルリーダーのガイダンス修正動向
・国内外の設備投資計画(HBM/EUV/先端パッケージ)の増額発表
結論――「二段上げ」の起点を待つ
今の調整は、年明け以降続いてきた急騰局面における利益確定売りの範疇にとどまる。目先はSOX指数で4,800ポイント付近、東京エレクトロンで22,000円台後半が短期サポート。金利上昇が一服し次第、AI特需を背景に業績が見込める銘柄から資金が戻る可能性が高い。テクニカルと金利動向を併用し、25日線から5〜7%下を拾う戦略が押し目買いの基本線となろう。
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