#557 2025年5月版 プレイステーション徹底解剖――価格改定から最新モデル、歴史、市場シェアまで

【1 直近の価格改定】

・2022年8月 世界的インフレと円安を背景に、ディスク版/デジタル版とも日本では各5,000円超の値上げ(米国は据え置き)を実施。

・2023年9月 PlayStation Plus 年間プランが最大35%値上げ。オンラインサービス全体のARPUを底上げ。

・2025年4月14日 トランプ政権の追加関税を受け、欧州・豪州などでPS5標準モデルが一律約25%引き上げ。日本国内では同日付で税込7,500円の上乗せ。

f:id:EuropeSoccerOjisan:20250503062701p:image

【2 現行ラインアップとスペック比較】

PS5(2020)

CPU Zen 2 8C/16T 3.5 GHz、GPU RDNA2 10.3 TFLOPS、RAM 16 GB GDDR6、825 GB SSD

 

PS5 Slim(2023)

体積▲30%、重量▲最大24%。SSDが1 TBに拡張、光学ドライブは着脱式。価格は旧型据え置き(日本66,980円)。

 

PS5 Pro(2024年11月7日発売)

GPU RDNA 3系で約16.7 TFLOPS、メモリ帯域28%向上、2 TB SSD、AIアップスケーリング「PSSR」、最大390 W。希望小売価格699.99 ドル(日本119,980円想定)。

 

【3 歴史的マイルストーン

1994年12月 初代PlayStation発売(世界累計1億台超)。

2000年3月 PlayStation 2発売、歴代最多1.6億台。

2006年11月 PlayStation 3、セルアーキテクチャで苦戦。

2013年11月 PlayStation 4、117 百万台で世代勝者に。

2020年11月 PlayStation 5、発売36か月でPS4並みの普及ペース。

 

【4 販売実績と市場シェア】

・累計出荷 2025年2月時点で7,500万台を突破。年末商戦(2024年Q3)単独で950万台を出荷し、四半期最高記録を更新。

・世代別シェア 現行据置機(PS5 vs Xbox Series)の世界累計ではPS5が約70%、対抗機の2倍超。

・全コンソール(Switch含む)ではPlayStationブランドが約45〜55%で首位を維持。

 

【5 今後の注目ポイント】

 

コスト転嫁の継続余地――2025年4月の値上げは北米を含まないため、追加関税が拡大した場合はさらなる価格改定リスク。
ハイエンド路線強化――PS5 Proが8K/VRR対応とAIアップスケールを前面に、ハード平均単価向上と高粗利が期待。
サービス収益――PS Plus値上げとMAU 1.18億(PS4+PS5)により、サブスクリプション収入が増加基調。 
競合動向――Xboxはハードシェアで劣勢ながらGame Pass・クラウド戦略に舵を切り、収益モデルが拡散。プレイステーションはファーストタイトルのPC展開で補完。

 

 

【6 まとめ】

プレイステーションは価格改定を吸収しながら高性能モデルとサービスを組み合わせ、2025年も据置機市場で圧倒的なリードを保っている。ハード普及がピークに近づく一方、PS5 Pro投入とソフト・サービスの高付加価値化で営業利益率を維持できるかが焦点だ。投資視点では、為替と関税がコスト構造に与える影響、そしてサブスクARPUの推移を追うことで、ゲーム&ネットワークサービス分野の成長余地を評価できる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました