2024年11月12日、出光興産株式会社は2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月)の連結決算を発表しました。この決算報告は、同社の業績動向や今後の戦略を理解する上で重要な情報を提供しています。
業績概要
同期間の連結経常利益は前年同期比44.9%減の1,248億円となりました。これは、通期計画である1,880億円に対する進捗率が66.4%にとどまり、過去5年間の平均進捗率73.4%を下回る結果となっています。
売上高は前年同期比11.9%増の4兆5,040億円を記録しましたが、営業利益は52.0%減の973億円、経常利益は44.9%減の1,248億円、純利益は39.7%減の994億円となりました。
セグメント別の業績分析
燃料油事業では、ナフサなどの連産品マージンの悪化や自家燃料コストの上昇が影響し、利益が減少しました。一方、資源事業においては、石炭市況の高騰が寄与し、増益となっています。
配当政策の見直し
同社は、2025年3月期の年間配当を従来計画の32円から36円に増額修正しました。これは、株主還元の強化を図るための措置と考えられます。
今後の展望と戦略
世界的なインフレ進行や各国の金融引き締めによる経済減速懸念など、事業環境の先行きは依然として不透明です。しかし、同社は中期経営計画(2023~2025年度)の考え方に変更はなく、2023年度の在庫影響を除いた利益水準は中計目標を上回るとしています。
まとめ
出光興産の最新の決算報告は、売上高の増加にもかかわらず、利益面での減少が顕著であることを示しています。これは、燃料油事業におけるマージンの悪化やコスト上昇が主な要因と考えられます。一方で、資源事業の好調さや配当増額など、ポジティブな要素も見受けられます。今後の経済環境の変化や同社の戦略的対応が、業績にどのように影響を与えるか注視が必要です。
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