概要
2025年3月29日締めApple FY25 Q2は売上高9,536億ドル(前年比+5.1%)、希薄化後EPS1.65ドル(+7.8%)で市場予想(売上9,468億ドル、EPS1.63ドル)をそろって上回りました。増収要因はサービス部門の二桁成長とiPad・Macの新製品寄与です。
主要KPI
下のインタラクティブ表にFY25 Q2と前年同期FY24 Q2を並べ、前年比も付しました。売上総利益率の改善とサービス比率の上昇が鮮明です。
(「Apple FY25 Q2 KPI」テーブルをご覧ください)
セグメント別動向
・サービス(App Store、iCloud、Apple Musicなど) 2,665億ドル(+11.6%)。一段と粗利率が高く、全社営業利益成長の主エンジンとなりました。
・iPhone 4,684億ドル(+1.9%)。新型iPhone 16e発売効果で微増。中国を含む高価格帯の競合激化が重石。
・Mac 795億ドル(+6.7%)。M4チップ搭載MacBook AirやMac Studio刷新が牽引。
・iPad 640億ドル(+15.2%)。iPad Air OLEDモデルが好調で二桁成長。
・ウェアラブル等 752億ドル(-4.9%)。Vision Pro導入期で一部買い替え待ちが発生。
地域別売上
米州40.3%、欧州25.6%で引き続き先進国が収益基盤。中国は1,600億ドルと横ばい、競争激化を示唆します。日本は729億ドル(+16.5%)で円安が追い風。
キャッシュフローと株主還元
営業CFは240億ドル、フリーCF創出力に問題なし。取締役会は0.26ドルへ増配(+4%)と1,000億ドルの新規自社株買い枠を承認。
経営陣コメント要旨
Tim Cook CEOは「サービスの二桁成長とiPhone 16e投入を両立」と述べ、CFO Kevan Parekhは「高い顧客満足度がインストールベースを拡大」と強調しました。
外部環境とリスク
・トランプ政権の新関税:現時点でサプライチェーン多様化により影響限定的も、長期コスト上昇リスクあり。
・生成AI戦略:Siri刷新とGoogle Gemini連携の噂—年後半のWWDCが注目イベント。
投資家への示唆
強気材料
― サービス比率上昇で利益体質改善
― 自社株買い1,000億ドルでEPS押上げ継続
慎重材料
― iPhone成長率鈍化、特に中国
― AI機能の出遅れ感
まとめ
サービスが牽引し、マージン改善と株主還元強化で収益の質は向上しました。一方、ハード依存度の高いiPhoneと中国動向には警戒が必要です。AI強化とVision Proエコシステム拡大が次期カタリストとなるかが中期的焦点です。
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