#641 NVIDIA株急騰が照らすAI関連銘柄の投資チャンス――国内注目4社を徹底解説

【イントロダクション】

NVIDIAの株価が5月13日終値で前日比5.6%高の129.93ドルと過去最高値を更新し、時価総額は3兆ドルの大台に乗りました。背景にはサウジアラビアの新AI企業「Humain」向けを中心とする数十万個規模の高性能GPU供給契約など、中東からの大型受注が相次いだことがあります。

 

 

【1 NVIDIA急伸の意味――AIインフラ投資は“第二幕”へ】

・生成AIの演算需要は依然として拡大中。中東勢に代表される「ソブリンAI」特需は、米国向け輸出規制で生じた中国需要の空白を埋めるだけでなく、新たな成長ドライバーになりつつあります。

・2025年1月期(FY2025)通期売上高は3,930億ドル、前年比78%増と高い伸びを維持。データセンター事業の比率は過去最高を更新しました。

・マーケットキャップが3兆ドルに到達したことで、AI関連ハード・ソフト全体への資金流入が再加速する可能性が高いと見られます。

 

 

【2 日本市場で押さえておきたいAI関連4銘柄】

以下では、国内投資家にとって実用度が高いと考えられる半導体・AI周辺企業4社を取り上げます。

 

東京エレクトロン(8035)

・HBM(高帯域幅メモリ)向け装置が牽引し、2025年3月期売上高は1兆8,600億円と過去最高を更新。AI向けロジック/メモリ設備投資の拡大で来期も二桁成長を見込むと発表しています。

 

アドバンテスト(6857)

・AIチップの複雑化に伴いテスト需要が増大。同社は2026年3月期営業利益で前年比6%増を予想し、700億円規模の自社株買いも併せて公表しました。

・Emersonとの協業により、AI/機械学習を活用した自動テストプラットフォームを構築中。

 

ルネサスエレクトロニクス(6723)

・組み込みAIプロセッサ「RZ/V2N」を発表し、工場自動化やスマートシティ向けに展開。インド政府との技術開発協定によりグローバル人材パイプラインも確保しました。

 

ソフトバンクグループ(9984)

・2025年3月期に4年ぶりの最終黒字(1.15兆円)へ回復。AI分野ではOpenAIへ最大4兆円超の追加投資をコミットし、Arm株保有を通じたAIチップ利得も享受しています。

・NAV(株主価値)に対する株価ディスカウントが依然大きく、AIシナリオ次第でバリュエーション見直し余地がある点も投資妙味。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

【3 投資戦略のヒント】

・米国発のAIブーム第1波はGPU銘柄が中心でしたが、現在は「HBM装置」「テスト」「電源・配線」「ソフトウェアプラットフォーム」へ裾野が拡大中。

・国内では半導体製造装置とテスト領域の寡占企業が多く、為替ヘッジを考慮しつつNVIDIAの“周辺収益”を取りに行く戦略が有効です。

・一方、ソフトバンクGのようにAIプラットフォームへレバレッジをかける投資会社はリスク許容度に応じてポジションを調整しましょう。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

【まとめ】

NVIDIAの株価上昇は「AIインフラ投資の持続性」を市場に再認識させ、日本株でも半導体製造装置やテスト装置、基幹チップメーカーなどへの注目度を一段と押し上げています。国内投資家は為替・地政学リスクを勘案しつつ、供給網全体に目を向けることで、AIブーム第2幕の恩恵を狙うことができるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました