マツダ株式会社(7261)を、株式投資と転職の両面から分析します。使用した最新決算は2026年8月4日発表の2027年3月期第1四半期、株価指標は2026年8月19日15:30の東証終値を基準にしています。結論は、投資判断が「やや割安」、転職判断が「条件を確認して検討」です。
マツダの分析結果
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 投資判断 | やや割安 |
| 転職判断 | 条件を確認して検討 |
| 株価 | 1,134.5円 |
| 予想PER | 7.95倍 |
| PBR | 0.37倍 |
| ROE | 1.9% |
| 配当利回り | 4.85% |
| 業種PER中央値 | 9.53倍(参考) |
| 業種PBR中央値 | 0.60倍(参考) |
| 使用決算 | 2027年3月期 第1四半期 |
| 株価基準日 | 2026年8月19日 15:30 |
マツダはPER7.95倍、PBR0.37倍、予想配当利回り4.85%と、数字だけを見るとかなり安く見えます。ただし2026年3月期の営業利益率は1.0%、ROEは1.9%まで低下しました。低PBRの背景には「利益を十分に稼げていない」という課題もあります。したがって、単純な低PER・低PBRではなく、2027年3月期に利益率がどこまで回復するかが最重要です。
マツダの基本情報
- 正式会社名:マツダ株式会社(Mazda Motor Corporation)
- 証券コード:7261
- 上場市場:東証プライム
- 東証33業種:輸送用機器
- 本社:広島県安芸郡府中町新地3番1号
- 代表者:代表取締役社長兼CEO 毛籠 勝弘
- 決算月:3月
- 主要事業:乗用車・商用車の開発、生産、販売
マツダはトヨタやホンダより規模が小さく、デザイン、走行性能、ブランド体験を一貫させることで差別化する完成車メーカーです。2026年3月期のグローバル販売は122.3万台で、米国39.5万台、米国以外の北米18.7万台でした。北米合計は58.2万台で、世界販売のおよそ47.6%を占めます。
マツダは何で稼いでいる会社か
収益の中心は自動車です。CX-5をはじめとするSUV・クロスオーバー、MAZDA3、CX-30、ロードスターなどを世界で販売しています。特に北米は販売規模が大きく、商品ミックスや販売奨励金、米国関税、為替が全社利益に直結しやすい構造です。
強みは、限られた規模でも商品・デザイン・走りの方向性をそろえやすいことです。一方、販売規模がトヨタほど大きくないため、電動化やソフトウェアに巨額投資が必要な時代には、単独ですべてを開発すると投資負担が重くなります。このためマツダは、既存資産や協業を活用する「ライトアセット戦略」を進めています。
マツダの業績
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 4兆8,277億円 | 2,505億円 | 2,077億円 | 5.2% |
| 2025年3月期 | 5兆189億円 | 1,861億円 | 1,141億円 | 3.7% |
| 2026年3月期 | 4兆9,182億円 | 516億円 | 351億円 | 1.0% |
| 2027年3月期会社予想 | 5兆5,000億円 | 1,500億円 | 900億円 | 2.7% |
2026年3月期は営業利益が516億円まで落ち込みました。経常利益には為替差益や持分法利益が入り、本業の営業利益より大きくなっています。また、クレジット資産評価損、支払補償金、特別退職費用などの特別損失も発生しました。利益の再現性を見るときは、営業利益と営業外・特別損益を分けて見る必要があります。
一方、2027年3月期第1四半期は売上高1兆2,857億円で前年同期比17%増、営業利益328億円、純利益296億円と前年同期の赤字から黒字化しました。会社は通期売上高5.5兆円、営業利益1,500億円、純利益900億円の予想を据え置いています。新型CX-5、MAZDA6e、CX-6eとコスト改善が今後の焦点です。
PER・PBRから見て割安か
2026年8月19日終値1,134.5円に対し、会社予想PERは7.95倍、PBRは0.37倍です。輸送用機器83社の2026年有価証券報告書ベースの参考中央値はPER9.53倍、PBR0.60倍で、マツダはどちらも低い水準です。
ただし業種中央値のPERとマツダの会社予想PERは定義・基準日が完全には一致しません。比較は方向感を見る参考として使い、公開直前に同一基準で更新する必要があります。PBR0.37倍についても、ROE1.9%という低収益性を無視して「0.37倍だから買い」と判断するのは危険です。
配当と株主還元
2027年3月期の年間配当予想は55円で、株価1,134.5円に対する予想配当利回りは4.85%です。会社予想EPS142.68円から計算した予想配当性向は約38.5%です。マツダは旧中期経営計画で安定的に配当性向30%以上を掲げてきました。
2026年3月期はEPS55.64円に対して配当55円だったため、実績配当性向は約99%まで上がっています。利益が落ちても配当を維持した点は株主にはプラスですが、配当の持続性は2027年3月期の利益回復が前提になります。株主優待は公開資料では確認できませんでした。
今後の成長材料
- 新型CX-5:主力車の刷新による北米・欧州の販売拡大
- MAZDA6e・CX-6e:電動車ラインアップの拡充
- ライトアセット戦略:協業と既存資産活用で電動化投資を効率化
- コスト改革:変動費・固定費の構造的削減
- 財務余力:2026年3月期末ネットキャッシュ4,430億円
旧中期計画は2026年3月期にROS5%以上、ROE10%以上を目標としていましたが、実績はROS1.0%、ROE1.9%でした。したがって今後は「会社が掲げる目標」ではなく、まず2027年3月期の営業利益率2.7%を達成し、その後5%水準へ戻せるかを見るべきです。
投資する場合のリスク
- 北米販売比率が高く、米国関税・景気・販売奨励金の影響を受けやすい
- 円高、原材料価格、物流費の上昇で利益が振れやすい
- 電動化・ソフトウェア投資の回収が遅れる可能性
- 低い営業利益率とROEが続くとPBRの見直しが進まない
- 在庫積み増しで営業キャッシュフローが悪化する可能性
- 品質、リコール、部品供給、自然災害による生産停止
競合企業・業種平均との差
| 会社 | 予想PER | PBR | ROE | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|
| マツダ | 7.95倍 | 0.37倍 | 1.9% | 4.85% |
| トヨタ | 11.08倍 | 0.93倍 | 10.15% | 3.40% |
| ホンダ | 16.17倍 | 0.52倍 | -3.51% | 4.21% |
| SUBARU | 13.81倍 | 0.64倍 | 3.31% | 4.61% |
マツダは競合3社よりPER・PBRが低く、配当利回りは高めです。一方、トヨタとのROE差は大きく、株価指標の安さには利益率の低さが織り込まれています。SUBARUとは北米比率やSUV中心という共通点があり、関税と北米収益性の比較が特に重要です。
転職先としてマツダはいい会社か
2026年3月期の提出会社の従業員数は22,857人、連結では47,144人です。提出会社の平均年間給与は711.2万円、平均年齢42.5歳、平均勤続年数17.7年です。完成車メーカーとして、車両開発、生産技術、品質、調達、電動化、ソフトウェア、海外事業など幅広い経験を積める点は大きな魅力です。
一方、平均給与は自動車大手の中で特に高い水準ではありません。平均給与は会社全体の平均であり、個人の提示年収を保証するものでもありません。職種別の給与レンジ、等級、賞与、勤務地、転勤の有無を個別に確認する必要があります。
転職前に確認したいこと
- 勤務地が広島本社・研究開発・防府工場などのどこになるか
- 製造系職種で交替勤務があるか
- 国内転勤・海外赴任の可能性
- 求人票の提示年収と会社平均給与の違い
- 評価制度、昇格、賞与の考え方
- 利益回復・コスト改革局面での配属部署の業務負荷
マツダは2023年から組織風土変革「BLUEPRINT」を進め、2025年春までに全従業員へ展開したとしています。制度だけでなく、応募する部門で実際にどのように運用されているかを面接で確認するのが重要です。
投資視点の最終判断
投資判断は「やや割安」です。PER7.95倍、PBR0.37倍、配当利回り4.85%には魅力があります。さらに第1四半期は黒字回復し、会社は通期営業利益1,500億円を据え置きました。ただし、2026年3月期のROE1.9%と営業利益率1.0%は弱く、低PBRには理由があります。評価見直しの鍵は、低い株価指標ではなく、営業利益率とROEが持続的に回復するかです。
転職視点の最終判断
転職判断は「条件を確認して検討」です。完成車メーカーとして得られる経験、電動化・ソフトウェア・海外事業への広がり、平均勤続17.7年は魅力です。一方で、給与は業界トップ水準ではなく、勤務地・交替勤務・転勤は職種差があります。仕事内容に魅力を感じる人には候補になりますが、年収や勤務地を最優先する場合は他社と比較した方がよいでしょう。
公開前の更新チェックリスト
- 株価、時価総額、PER、PBR、配当利回りを公開当日に更新
- 2027年3月期第2四半期決算が発表済みなら差し替え
- 輸送用機器のPER・PBR中央値を同一基準日で再確認
- 新型CX-5、MAZDA6e、CX-6eの販売進捗を確認
- 北米の関税影響と通期営業利益1,500億円の進捗を確認
筆者と対象企業との関係
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[雇用、取引、株式保有、持株会その他の関係がある場合は記載]
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免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の購入、売却、保有を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。掲載情報は作成時点のものであり、正確性、完全性、将来の成果を保証するものではありません。
主な参照資料
- マツダ株式会社「直近の業績ハイライト」:https://www.mazda.com/ja/investors/financial/highlight/
- マツダ株式会社「主要財務・業績情報」:https://www.mazda.com/ja/investors/financial/data/
- マツダ株式会社「有価証券報告書等」:https://www.mazda.com/ja/investors/library/s-report/
- マツダ株式会社「中期経営計画・事業戦略」:https://www.mazda.com/ja/investors/policy/mid-term/
- マツダ株式会社「株主還元」:https://www.mazda.com/ja/investors/stockinfo/dividend/
- マツダ株式会社「会社概要」:https://www.mazda.com/ja/about/outline/
- 日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR」:https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html

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