【はじめに】
2025年に入っても生成AI熱は衰えず、第一四半期の北米スタートアップ投資額は前年同期比で約30%増となる820億ドルに達しました。背景には、AI関連メガディールが次々と成立したことが挙げられます。
【メガラウンドが相次ぐ】
三月下旬、OpenAIが約400億ドルを調達し、ポストマネー評価額は3,000億ドルへ到達しました。研究開発とGPUインフラ拡張を同時に進める狙いです。
四月にはAnthropicが35億ドルを調達し、評価額は615億ドルへ上昇。安全性に特化した大型モデルClaudeシリーズの商用展開を加速させています。
【1億ドル超の「準ユニコーン」も続々】
TechCrunchによれば、2025年に入ってから既に19社の米AIスタートアップが1億ドル以上を調達しています。直近ではイスラエル発AI21 LabsがシリーズDで3億ドルを募集中です。
【NVIDIAのエコシステム投資】
ハードウェア優位を保つNVIDIAは、生成AIスタック全体に出資を拡大。25年だけで7ラウンドへ参加し、データ管理基盤Wekaなどインフラ系にも積極的です。ハードとソフト両面の囲い込みにより、GPU需要を自ら創出しています。
【VCが注目するテーマ】
早期投資家のランキングでも、AI専門ファンドや元起業家エンジェルが存在感を高めました。投資先は
計算効率化(低消費電力チップ、量子混載)
エージェント型AI/RAG(Retrieval‑Augmented Generation)
産業特化モデル(医療、法務、製造)
セキュリティと倫理ガバナンス
という四領域に集中しています。
【今後の見通し】
メガラウンドが資本を吸収する一方、シード・シリーズAは調達難が続いています。資金供給は選別色を強め、社会実装に直結するトラクションとGPUコスト最適化の指標がより厳しく問われる春となりました。
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