(1)会議終了後の決まり文句──「あのときこうすればよかった」
プロジェクト会議や定例ミーティングの終盤、よく耳にするのが「結局、あのときこうすればよかったよね」というフレーズだ。新しいアイデアや問題提起が一巡し、議論が煮詰まったその瞬間に、誰かがつぶやく。発言者には、責任を回避したい下心がある場合もあれば、単に議論を終わらせたい焦りがある場合もある。
・ 決まり文句化した“後付けの正しさ”
・ 次に何をすべきかではなく、過去の失敗点に執着する傾向
(2)後から振り返る安心感と、そこに潜む無力感
結果を知った今だからこそ語れる安心感──それは、自分の判断力を過大評価しつつ、同時に行動責任を手放す甘い罠でもある。
振り返りは本来、学びの起点になる。しかし「振り返っただけ」で満足してしまうと、自ら未来へ踏み出す力を奪ってしまう。
・ 振り返りによる一時的な心理的安堵
・ しかし、過去を変えられない無力感が次の一歩を萎縮させる
この節では、まず「後からなら何とでも言える」日常の一場面を通して、私たちが無意識に陥る“心理的な罠”を描き出した。次章以降では、この無力感を超え、結果論を“行動論”へと変えるための具体的な思考法を探っていく。
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