【サマリー】
・売上高は9,562億円で前年同期比31.4%減、営業利益は2,475億円で46.7%減、純利益は2,371億円で41.9%減
・営業利益率は25.9%と前年同比で7.4ポイント低下
・ハード販売台数は前年同期比30.6%減の954万台、ソフトは24.4%減の1億2,398万本
・通期業績予想を売上高1兆1,900億円(前回予想比▲7%)、営業利益2,800億円(▲22.2%)へ下方修正
・Switch後継機(仮称Switch 2)は年内発表予定とされ、ハード販売計画を1,150万台から1,100万台へ引き下げ
【決算ハイライト】
・減収減益の主因はプラットフォーム8年目に伴うハード・ソフト両面の販売減。特に前年は『ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom』『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』で高水準の比較対象となっていた点が大きい
・円安効果で売上高押し上げ要因は+437億円あったものの、数量減を補えず営業利益は半減近くまで落ち込んだ
・SG&A費率は33.2%へ上昇。研究開発費は1,047億円(+13.4%)と次世代機投資が増勢
【セグメント別動向】
ハードウェア
・Switchファミリー合計954万台(▲30.6%)。OLEDモデルは前年の限定版効果の反動で特に落ち込みが大きい
ソフトウェア
・新作『ゼルダの伝説 Echoes of Wisdom』『Super Mario Party Jamboree』は堅調ながら、前年の超大型IPに届かず
IP・モバイル・映像ほか
・『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』関連ロイヤルティ一巡で売上49.7億円(▲33.9%)
【財務と株主還元】
・ネットキャッシュは依然として1兆円規模と推定され、自己資本比率は80%超で盤石
・年間配当予想は129円→116円に減額(配当性向43%想定)。減配だが依然として3%前後の配当利回りを維持
【業績予想下方修正とSwitch後継機の行方】
・通期営業利益2,800億円見通しは、期初(3,600億円)から▲22%の大幅修正
・ハード計画を1,100万台へ下げたが、依然として世代末期としては高水準。Switch 2発売前の「空白期」を短縮する狙い
・ロイター報道によればSwitch後継機は年内発表・年末発売が有力視され、次期のハード切り替え需要が株価の最大テーマだ
【今後のチェックポイント】
5月8日の本決算発表で示される2026年3月期ガイダンスとSwitch 2投入時期
6月~9月期のソフトラインアップ。現世代末期を支える自社タイトルや外部大型IPの投入有無
IPビジネス(映画第2弾、USJ拡張エリア、公式ストア拡充)の成長スピード
為替レート前提(1ドル=150円、1ユーロ=155円)の保守性
【投資家向け所見】
・短期的には数量減で業績モメンタムは弱いものの、次世代機ローンチによる再成長余地は大きい
・足元PERは25倍前後、次期ピーク営業利益(4,000~4,500億円想定)をどう織り込むかがバリュエーションの焦点
・Switch 2発表タイミングと初期タイトルの充実度次第で株価はボラティリティ拡大も、長期的IP資産価値に揺らぎはない
【まとめ】
Switchサイクル終盤特有の踊り場にあるものの、豊富なキャッシュとIPがもたらす耐久力は群を抜く。5月8日の本決算とSwitch後継機正式発表が、業績モメンタムと株価の再加速を占う最大のイベントとなる。
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