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タイトル
希少金属（レアアース）株、今こそ再注目？米中摩擦が再び資源を揺らす
本文
米中関係の緊張が再び高まる中、マーケットでは「レアアース（希土類）」関連株への関心が急速に高まっている。希少金属はスマートフォンや電気自動車（EV）、半導体などの製造に欠かせない戦略物資であり、中国がその供給を“外交カード”として使う可能性が再び意識され始めた。
14日付の米メディア Fortune や Investopedia、Bloomberg でも、レアアース関連の取引量が急増していると報じられている。背景にあるのは、中国政府が一部の米国向け輸出制限を検討しているという報道だ。2010年代初頭にも同様の事例があり、その際は日本の磁性材料・精錬関連株が大きく動いた。
h2：レアアースとは何か──“地中の金”の正体
レアアースとは、ネオジム・ジスプロシウム・テルビウムなど17種類の希土類元素の総称である。これらはEVモーターや風力発電の永久磁石、半導体製造装置などの核心部品に使われており、現代のハイテク産業を支える「見えない資源」だ。
問題は、世界の生産の約6〜7割を中国が握っていること。政治的な対立が高まると、供給リスクが顕在化しやすく、価格の乱高下が起きる。つまり、レアアースは“地政学的リスクと直結した資源”といえる。
h2：テーマ株が再び脚光──短期波動に注意
足元では、米中の輸出制限報道を受け、レアアース関連株が再び反応している。特に、資源循環や磁性材料を手掛ける企業に資金が向かう傾向が見られる。
こうしたテーマ株は、ニュース次第で急騰・急落するため、冷静な投資判断が欠かせない。過去を振り返れば、2019年の米中貿易戦争期には、一部銘柄が1か月で株価2倍近くまで跳ねたが、材料一巡後は急速に反落した。今回も“乗るなら早め・降りるのも早め”が基本戦略となる。
h2：日本のレアアース関連株──注目すべき5銘柄
では、国内でどんな企業がこのテーマに関連しているのか。主な銘柄をピックアップしてみよう。
- 三井金属鉱業（5706）
磁性材料や高純度金属に強く、レアアースリサイクル分野でも技術力を持つ。中国リスク分散の受け皿として注目。 - 住友金属鉱山（5713）
ニッケル・コバルトなどEV関連素材の国内最大手。希少金属全般の需給逼迫が続けば恩恵を受けやすい。 - 東ソー（4042）
高純度酸化物を手掛け、半導体製造材料にも応用される。地味だが堅実な収益構造が魅力。 - 日立金属（現プロテリアル、5486）
ネオジム磁石の製造で世界的シェアを持つ。米中摩擦が長期化すれば、代替供給網の再構築で追い風。 - アサカ理研（5724）
レアメタルのリサイクル専業。テーマ株として短期資金が集まりやすく、個人投資家の注目度も高い。
これらの銘柄は、素材価格やニュース次第で値動きが激しくなるため、仕込みタイミングとリスク管理が重要だ。
h2：投資タイミングの目安──価格指標をチェック
レアアース市況は、実際には商品取引所で直接取引されないため、参考になるのは「レアアース酸化物価格指数」や「中国内需関連株指数」だ。
これらが上向き始めたタイミングで関連銘柄が上昇しやすい。逆に、報道が一巡した段階で一旦利益確定の売りが出やすい傾向にある。
また、米国が国内でのレアアース採掘・精製プロジェクトを加速させており、中長期的には供給分散が進む可能性もある。その意味では、「短期テーマ」と「中期トレンド」の両視点を持ってポジションを組むのが得策だ。
h2：結論──“資源リスク”をチャンスに変える発想を
米中摩擦は、単なる政治問題ではなく、産業構造を揺るがす“供給リスク”として市場に波及している。レアアースはその象徴であり、今後も材料が出るたびにマーケットを動かすだろう。
個人投資家にとっては、「地政学リスク＝投資機会」と捉える柔軟さが求められる。
テーマ株を短期で狙うか、素材セクターの底堅さに中期で乗るか。いずれにしても、相場の波に振り回されず、材料の“本質”を見極める視点が利益を分ける。
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