#669 日本製鉄(5401) 5月26日(月)の値動き

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本日の終値は2,930円で前営業日比+61円(+2.13%)。寄り付きは2,964円、午前中に米トランプ大統領の「USスチール買収を支持する」との投稿が伝わると買いが先行し、いったん3,081円(+7.4%)まで急伸しました。しかし午後は利益確定売りに押され、上げ幅を縮小して取引を終えています。出来高は平常の約2倍と活況でした。

ポジティブ要因

・トランプ氏の支持表明で USスチール買収成立への政治リスクが後退し、グローバル展開加速への期待が高まった。

・中国大連の鉄鉱石先物が前営業日比▲2.2%と軟調で、原料コストの低下期待が買い材料に。

・株価は年初来下落トレンドの節目2,900円台を回復し、テクニカル面で押し目買いが入りやすかった。

・投資家向け説明会で示された24年度配当予定(160円、利回り5%超)と低PBR(0.6倍台)が下値を支えた。

ネガティブ要因

・買収総額1.49兆円に伴う資金負担・のれん計上懸念が根強く、午後は戻り売りが優勢。

・中国政府は2025年も粗鋼減産目標を継続する方向で、一部では需要減少懸念がくすぶる。

・円相場が1ドル=142.5円台へやや円高方向に振れ、輸出採算に逆風。

・先週までの15%超の月間下落で戻り待ちの売り圧力が大きく、3,000円台定着には一段の材料が必要との見方。

総合評価

買収承認の“芽”が見えたことで短期的にはポジティブサプライズとなりましたが、取引終盤の売りは「買収コストの重さ」と「世界の鋼材需要の鈍化懸念」が依然として重しであることを示しています。3,100円近辺にはテクニカルな抵抗帯があり、上値追いには「資金調達計画の明確化」や「中国・米国向け製品の高級鋼シェア拡大」といった追加材料が必要です。一方で、配当利回りの高さと国内建設向け需要の底堅さが下値を下支えしており、2,800円後半〜2,900円前半にかけては押し目買い意欲も残るとみられます。

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